貯金講と二十三夜供養塔
駐車場に大きな二十三夜供養塔がありソレにまつわるお話があります
。昔 年寄りが病気になってお金がかかり食べる米も困ってしまいました。この話を聞
いた六人の若い衆がお金を貸してやり年寄を抱えた家の者に大喜びされました。この噂
を聞いた人たちが種籾を買うお金や娘の嫁入り支度などのお金を貸してくれと借りに来
る人が増えてきたので借用証書と利息を決めました。それが銀行のなかった時代の貯金
講と呼ばれるものです。お金を借りた人もキチンと利息を払ってくれたので若い衆達は
嬉しくなり毎月二十三日に一人の家に集まり夜通し飲んだり食べたりのどんちゃん騒ぎ
をしました。そんな或る日に芸者がお金を借りに来ました。貸すとソノ話が伝わり次か
ら次へと芸者達が借りに来ました。ところが急に景気が悪くなり芸者達はお金を返さず
にどこかへ行ってしまいました。若い衆達は人助けだと言ってクヨクヨせず続けている
と仲間に入る人も増えて貯金講は長く続きました。貯金講を初めてから二十年目に二十
三夜供養塔を建てたのがコチラだというお話です。感謝する側も感謝される側も喜ぶ笑
顔が目に浮かびました。境内へと向かう四脚門の風格のある山門を潜るとわびさびが感
じられる本堂がありました。サルスベリは1本の木でカニバサミのように枝が伸びソレ
ゾレの花々を競い合うように咲かせておりました。前につんのめるようにせり出してい
て勢いが感じられました。
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お葉つきイチョウの由来
開基の上三川城主横田綱親公の墓が本堂前にあります。境内で一
際目立つ推定樹齢320年、樹高25.6mのイチョウ(栃木県天然記念物)の実がザ
ランザランと大量です。お葉つきイチョウと呼ばれていてラッパ状の葉も見られました
。このイチョウにまつわるお話があります。上三川城主横田綱親公が悪夢をみました。
また城の北西あたりのイチョウの老木が毎晩夜更けに奇怪なうめき声をあげて泣きソレ
を聞いた者は床につくという不思議な現象が起きました。そんな或る日に黒染めの信俊
と名乗る僧が上三川に現れ里人に慈悲を施しました。綱親公の耳に入り旅僧にイチョウ
を供養するよう命じました。僧は懇ろに供養し切り倒しました。するとソノ幹の中から
三百数十匹の大蛇がゾロゾロ出てきて草叢に姿を消し城中の異変は途絶えました。綱親
公は信俊と名乗る僧に命じて夜泣きイチョウのあった付近の老木を切り倒し寺を建立さ
せました。それが現在のこのお寺です。綱親公、信俊和尚が亡くなって暫く経った頃か
つて切り倒した夜泣きイチョウの切株から後葉が出たものがドンドン成長し不思議なこ
とに葉の先に実がなるイチョウが育ちました。それがこのイチョウだというお話です。
何とも愛らしいギンナンであります。樹形もイイので秋の黄葉が今から楽しみな古木で
す。
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