子どもが変わったのは、勉強を教えたから
ではありません
(前編)
先日、リズム音読ラボに参加してくれた
小学生のお母さんから、
嬉しいお話を伺いました。
お母さんによると、
お子さまが
「福田先生のところで勉強したい」
と話していたそうです。
それだけでも嬉しいことですが、
私が特に印象に残ったのは、
その後の変化でした。
お子さまは、以前よりもずっと、
お母さんに
甘えられるようになったこと。
そして、
癇癪を起こしたあとで、
「漢字でしんどかってん」と、
自分の状態を言葉で説明したことです。
私は
この話を聞いたとき、
学力の変化以上に
大きな成長かもしれないと感じました。
なぜなら、子どもが
自分の気持ちを言葉にするためには、
まず
安心感が必要だからです。
不安が強いとき、
子どもは説明するより先に、
怒ったり、
黙り込んだり、
逃げたりします。
けれど
安心できるようになると、
少しずつ、
「何がしんどかったのか」を
言葉で伝えられるように
なることがあります。
私はそこに、
学習よりも先に育つ
大切な土台があると考えています。
実は、リズム音読ラボでは、
最初から勉強だけをする
わけではありません。
音読をしたり、
サイコロを振ったり、
簡単な暗算をしたり、
ペーパークラフトに取り組んだりします。
一見すると、
勉強とは関係のない活動に
見えるかもしれません。
けれど私は、
こうした時間を通して、
子どもたちが
安心して過ごせる空気を
大切にしています。
その安心感の中で、
表情がやわらぎ、
言葉が増え、
少しずつ自分の気持ちを
表現できるようになる子がいます。
今回のお話も、そのような
小さな変化の一つだったの
かもしれません。
後編では、なぜ
「安心できる時間」が
学びや心の成長につながるのか、
リズム音読ラボで
大切にしている考え方を
お話ししたいと思います。
リズム音読ラボで、本当に育てたいもの
(後編)
前編では、
リズム音読ラボに参加されたお子さまが、
少しずつ
自分の気持ちを
言葉で伝えられるようになった
お話をご紹介しました。
では、なぜ、そのような
変化が起きたのでしょうか。
リズム音読ラボでは、
音読をします。
暗算もします。
サイコロも振ります。
ペーパークラフトにも取り組みます。
短い実験動画を見ることもあります。
一見すると、
まとまりのない活動に見える
かもしれません。
けれど私の中では、
すべてに共通する目的があります。
それは、
「子どもが自分らしいリズムを取り戻すこと」。
勉強が苦手な子ほど、
長時間座り続けることが
負担になる場合があります。
だから私は、
同じことを続けるのではなく、
音読をする。
少し体を動かす。
また音読に戻る。
そんなリズムを大切にしています。
すると、
表情がやわらぎ、
目線が変わり、
言葉が増えていく子がいます。
私は長年、
子どもたちと関わる中で、
勉強ができないことよりも、
「学びに向かうリズムが崩れていること」が
課題になっている場面を
数多く見てきました。
疲れている。
不安が強い。
失敗した経験が積み重なっている。
何から始めればいいのか分からない。
そんな状態では、
どんなに良い教材があっても、
力を発揮することは
難しくなります。
だから私は、まず
安心して取り組める
時間をつくることを大切にしています。
「できた。」
「もう一回やってみよう。」
そんな小さな成功体験を積み重ねながら、
少しずつ学ぶ力を育てていきます。
音読も、
暗算も、
工作も、
実験動画も、
そのための手段です。
私が本当に育てたいのは、
勉強する力
だけではありません。
子どもたちが、
「やってみようかな」
と思える心のリズムです。
そのリズムが整うと、
学びは少しずつ
前へ進み始めます。
私はこれからも、
一人ひとりの歩幅を大切にしながら、
子どもたちの成長に寄り添い、
伴走していきたいと思っています。