数字は、答えを出すだけでなく「動かして」考えることもできます
(数理3|前編)
お母さんへ。
計算問題を前にして、
しばらく手が止まっている。
でも、少し数字を書いたり、
丸で囲んだりすると、
「あ、分かった」
と急に鉛筆が動き始める。
そんなことがあります。
このとき、その子の中で
何が変わったのでしょう。
たとえば、
「12+8」
という計算があります。
もちろん、
計算の仕方を覚えて
答えを出すこともできます。
でも、12を
10と2に分けてみる。
8と2を合わせて
10にしてみる。
すると、
10と10で
20。
同じ数字なのに、
少し見え方が変わります。
こうして数字を分けたり、
合わせたりして
考えることを、
ここでは
「イメージして考える」と
呼んでみます。
お子さまによっては、
数字だけが並んでいると、
「何をしたらいいの?」と
分からなくなることがあります。
大人には、
「ここをこうすれば分かるのに」と
簡単に見えることでも、
お子さまには、まだ数字が
一つひとつ別々に
見えているのかもしれません。
そんなときは、
答えを教える前に、
数字と数字のつながりを
一緒に探します。
たとえば、
数字を丸で囲んでみる。
線でつないでみる。
まとまりをつくってみる。
すると、
「ここを先に合わせたらいいのか」
と気づくことがあります。
ほんの少し見せ方を変えると、
止まっていた子が
自分から続きを考え始める。
そんなこともあります。
大切なのは、
「イメージできないから、
考える力がない」と
決めてしまわないことです。
まだ、その子にとって
分かりやすい形が
見つかっていないだけ
かもしれません。
数字を見た瞬間に
答えが出なくても大丈夫です。
「ここまでは分かる」
「これは10にできそう」
そんな小さな気づきも、
考えている途中です。
答えだけを見るのではなく、
「この子には、数字が
どんなふうに見えているのだろう」
と途中を想像してみる。
すると、
止まっているように見えた時間にも、
考えるための入口が
見つかることがあります。
後編では、
その入口から「分かった」へ
どうつないでいくのかを
見ていきますね
「あ、そういうことか」が、次の一歩につながっていきます
(数理3|後編)
お母さんへ。
数字をイメージして考えるといっても、
最初から頭の中だけで
自由に数字を動かす
必要はありません。
紙に書く。
丸で囲む。
線を引く。
指でたどってみる。
そんなところから
始めてもいいのだと思います。
たとえば、
「どれとどれを合わせたら
10になるかな」と
一緒に探してみる。
一つ見つけたら、
「そうか。ここが10になるんだね」
と確かめる。
すぐに次の問題へ進まず、
「あ、そういうことか」と
感じる時間を
少し残してみる。
すると次の問題では、
自分から数字を囲んだり、
「これも10にできる?」と
聞いたりするかもしれません。
こうした小さな動きは、
正解の数や計算の速さだけでは
気づきにくいものです。
でも、
「自分で数字を見てみよう」
「ちょっと動かしてみよう」
という変化も、
大切な一歩です。
もちろん、一度
分かったからといって、
次から全部できるとは
限りません。
また止まることもあります。
そんなときは、
もう一度書いてみる。
一緒に数字を動かしてみる。
そして、
できそうなところだけ
自分でやってみる。
難しくなったら、
また一緒に考える。
そんな行き来があっても
いいのだと思います。
その経験を重ねるうちに、
以前はただ
並んで見えていた数字に、
少しずつ
「まとまり」や
「つながり」が
見えてくることがあります。
「計算しなきゃ」から、
「どうしたら分かりやすくなるかな」へ。
そんな変化が生まれたら、
それも一つの成長です。
「今日は一つ、自分で見つけたね」
そのくらいの小さな変化を
一緒に喜べれば十分です。
このような考え方をもとにした
具体的な指導については、
店舗情報ページのメニュー内
『「うちの子でも大丈夫?」賢明学院中学合格コーチング』
にもまとめています。
ご家庭での一つのヒントとして、
よろしければご覧ください。
このシリーズは、
〔数理1〕〜〔数理7〕でお届けしています。
スタディ・コーチング・ラボラトリー
代表 福田秀一