見え方が変わると、子どもの未来も変わり始めます
(前編)
お母さんへ。
ここまで環境編をお読みいただき、
本当にありがとうございます。
このシリーズでは、
子どもたちは「できない」のではなく、
環境によって動きやすさが変わること。
小さな変化が、
やがて大きな成長につながること。
そして、
お母さんの関わり方も、
大切な環境の一つであることを
お伝えしてきました。
ここまで読んでくださった中で、
お子さまの見え方が、少し
変わってきた部分がある
かもしれません。
以前は、
「どうしてできないのだろう。」
と思っていたことが、
「まだ条件が整っていない
だけなのかもしれない。」
そう思えるようになると、
お子さまを見る気持ちも、
少しずつやわらいでいきます。
止まっているように
見えていた時間も、
実は力をためていた
時間だったのかもしれない。
そう感じられることも
増えていきます。
見方が変わると、
かける言葉も変わっていきます。
「早くしなさい。」
ではなく、
「今日は、どこから始めようか。」
「どうしてできないの。」
ではなく、
「少し始めやすくしてみようか。」
そんな言葉が、
自然に出てくることもあります。
お母さんの中に生まれた安心は、
言葉や表情を通して、
お子さまにも伝わっていきます。
子どもたちは、
安心できる環境の中で、
自分の力を少しずつ
育てていきます。
周りと同じ速さでなくても、
その子には、
その子だけの歩幅があります。
昨日より少し早く始められた。
今日は少し長く取り組めた。
以前より、
やわらかい返事が返ってきた。
そんな小さな変化が積み重なり、
大きな成長へとつながっていきます。
だから私は、
結果だけを見るのではなく、
その小さな歩みを
大切にしたいと思っています。
焦らなくても大丈夫です。
今、大きく変わっていなくても、
お子さまの中では、
今日も静かに力が育っています。
後編では、
その積み重ねが、
どのように未来へつながるのかを、
最後にお話ししたいと思います。
その子らしい歩みを、どうか信じてあげてください
(後編)
お母さんへ。
前編では、
子どもの成長は、
小さな変化から始まることを
お話ししました。
その変化は、
すぐに結果として
見えるものではありません。
けれど、
見えないところで
積み重なった時間は、
決して無駄にはなりません。
子どもたちは、
安心できる環境の中で、
「できるかもしれない。」
という気持ちを
少しずつ育てていきます。
その気持ちは、
「やってみよう。」
という行動へと
変わっていきます。
私は、
これまで多くのお子さまと
歩んできました。
机に向かうことさえ
難しかった子が、
自分から勉強を
始めるようになったこともありました。
人と話すことが苦手だった子が、
少しずつ社会へ踏み出す姿も
見てきました。
初めから、すべての
未来が見えていたわけ
ではありません。
見えていたのは、いつも
ほんの小さな一歩でした。
けれど、
その一歩を急がせず、
否定せず、
積み重ねていく中で、
その子らしい未来が
少しずつ見えてきました。
どの子にも共通していたのは、
誰かと比べるのではなく、
その子の歩みを
大切にできたことでした。
だから私は、
お母さんにも、
どうかその歩みを
信じていただきたいと思います。
「この子で大丈夫。」
そう思える日が来るまでには、
時間がかかることもあります。
不安が消えたと思った翌日に、
心配になることもあるでしょう。
それでも、
積み重ねてきた一歩は
なくなりません。
安心できる毎日の積み重ねは、
子どもの中に残り、
やがてその子自身を
支える力になります。
そして、その安心を
一番届けられる存在は、
毎日そばにいる
お母さんです。
この七回のシリーズが、
お子さまを見る目を
少しやさしくし、
毎日の関わりに
安心を届けるきっかけになれば、
これほど嬉しいことはありません。
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