〔環境4〕
変わり始めた子どもが見せる小さなサイン
――見逃しやすい、はじまりの変化
(前編)
お母さんへ。
「何か少し変わってきたかもしれない。」
そんなふうに感じる
瞬間はありませんか。
急に大きく変わるわけ
ではないけれど、
どこか少しだけ違う。
前よりも、
ほんの少し
動きやすくなっているように見える。
机に向かう時間が少し
伸びた。
返事が少し
やわらいだ。
声をかけると、
前より早く動き始めた。
以前なら止まっていたところで、
もう一歩だけ進めた。
そんな小さな変化に、
ふと気づくことが
あるかもしれません。
けれど、
その変化は
あまりにも小さいため、
見過ごされてしまうことも
少なくありません。
目に見える結果ではないので、
「まだ何も変わっていない。」
と感じてしまうこともあります。
周りのお子さんと比べてしまうと、
なおさら
見えにくくなってしまいます。
でも私は、長く
子どもたちと関わる中で、
こうした小さな変化こそ、
とても大切にしています。
なぜなら、
大きな成長は、
ある日突然始まるもの
ではないからです。
まず、
表情が少し変わる。
視線が少し前を向く。
取りかかるまでの時間が
少し短くなる。
座っていられる時間が
少し長くなる。
こうした小さな変化が
積み重なり、
やがて大きな成長へと
つながっていきます。
つまり、
「まだ変わっていない」
のではなく、
「変わり始めている」という
見方ができるのです。
私は、
子どもたちの成長とは、
こうした小さなサインを、
一つひとつ
積み重ねていくことなのだ
と感じています。
その子の中では、
今日も小さな変化が、
誰にも気づかれないまま、
静かに
積み重なっています。
後編では、
その小さなサインを、
どのように受け止めていくと、
お子さまの安心や成長に
つながっていくのかを、
もう少し具体的に
お話ししたいと思います。
〔環境4〕
変わり始めた子どもが見せる小さなサイン
――その変化を成長につなげるために
(後編)
お母さんへ。
前編では、
大きな成長は、
小さな変化から始まる
ということをお話ししました。
では、
その小さなサインに気づいたとき、
私たちは、どのように
受け止めればよいのでしょうか。
私は、
何か特別なことをする必要は
ないと考えています。
大切なのは、
その変化を評価すること
ではなく、
見つけること。
そして、お子さまに
見つけた事実を、
そのまま言葉にして
返してあげることです。
例えば、
「今日は少し早く始められたね。」
「最後まで座って取り組めたね。」
「昨日より少し長く集中できたね。」
そんなふうに、
評価ではなく、
見えた変化を
そのまま言葉にして伝えます。
子どもたちは、
自分では気づいていない変化でも、
誰かに見つけてもらうことで、
「ちゃんと前へ進めている。」
と感じられることがあります。
その安心感は、
次の一歩を踏み出す
力へ変わっていきます。
もちろん、
毎日変化が見えるわけ
ではありません。
昨日と同じように
見える日もあります。
立ち止まっているように
感じる日もあります。
それでも、少し
長い時間で振り返ると、
以前とは違う姿が
見えてくることがあります。
だから私は、
一日一日の結果だけで判断する
のではなく、
小さな変化の積み重ねを
大切にしています。
その積み重ねが、やがて
大きな成長となって現れることを、
これまで何度も
子どもたちが教えてくれました。
もし今、お子さまが少しずつ
変わり始めているように感じられたら、
どうか、
その小さなサインを
大切にしてください。
その小さな変化は、
やがて未来へ続く、
大きな成長の
始まりなのかもしれません。
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