「家では全然やらないんです…」
(前編)
お母さん、こんにちは。
お母さんたちとお話ししていると、
こんなご相談をいただくことがあります。
「家では全然勉強しないんです。」
「やる気がないように見えるんです。」
毎日声をかけても、
なかなか机に向かわない。
その様子を見ていると、
「このままで大丈夫なのかな。」
そんな不安になることもありますよね。
でも実際に
オフィスでお会いすると、
その子たちは、決して
「何もできない子」
ではありません。
むしろ、
好きなことになると、
驚くほど集中する姿を
見せてくれることがあります。
ある生徒さんは、
普段は口数が少なく、
何を考えているのか
分からないように
見えることがありました。
ところが、
化学の話題になると、
急に表情が変わります。
自分からモニターを操作し、
問題にも次々と
取り組み始めるのです。
また、
英語の音読も、
最初は
ぎこちなかったのですが、
同じ順番で、
同じリズムを
繰り返していくうちに、
少しずつ安心した表情で
読めるようになってきました。
その姿を見ながら、
私はいつも感じます。
子どもたちは、
安心できる場所に出会うと、
自分でも驚くほど
自然に力を発揮することがあります。
無理に変えようとしなくても、
安心できる流れの中では、
少しずつ
表情や行動が変わっていくのです。
子どもたちに必要なのは、
「もっと頑張ること」
ではなく、
「安心して動き始められる場所」
なのかもしれない、と。
学習につまずいている
子どもたちの中には、
「できない」のではなく、
動き出すための条件が、
まだ整っていないだけの子がいます。
焦らなくて大丈夫です。
まずは、その子が
安心して動ける
入り口を見つけること。
そこから、学びは静かに
動き始めることがあります。
後編では、私が
オフィスで大切にしている
「安心して動ける場所」の
作り方について、
お話ししたいと思います。
安心して動ける経験が、
子どもの未来を変えていきます
(後編)
お母さん、こんにちは。
前編では、
子どもたちは、
「やる気がない」のではなく、
安心して動ける場所を
探しているのかもしれない、
というお話をしました。
実際のセッションでも、
そのことを感じる場面が
よくあります。
最初は緊張した表情で入ってきた子が、
英語の音読をしたあと、
少し化学の話をして、
また音読に戻る。
そのあと、
短い休憩をはさみ、
次の課題へ進んでいく。
そんな小さな流れを
繰り返しているうちに、
表情が少しずつやわらぎ、
言葉も自然と増えていきます。
「できた。」
「読めた。」
「進めた。」
その小さな積み重ねが、
子どもたちの
安心につながっていくのです。
そして私は、もう一つ
興味深いことに気づきました。
子どもたちは、
「うまく取り組めている自分」が、
とても好きなのです。
最初は緊張していた子が、
「もう終わり?」
「まだ帰りたくない。」
そんな言葉を口にすることもあります。
それは、
勉強が好きになったというより、
安心して
学べる時間が好きになった、
ということなのかもしれません。
もちろん、
すぐに大きく変わるわけ
ではありません。
けれど、
安心できる。
少し動ける。
「できた」が増える。
また挑戦してみる。
そんな流れを
繰り返していく中で、
子どもたちは少しずつ
自信を育てていきます。
その積み重ねは、
英検や漢字検定、
読解力や作文、
そして将来、
人と関わる力にもつながっていきます。
だから私は、
「もっと頑張らせること」
よりも、
「安心して動ける流れ」を
大切にしています。
もし今、お子さまが
なかなか動き出せなくても、
どうか焦らないでください。
その子には、
その子なりの順番があります。
安心して動ける
経験を積み重ねながら、
子どもたちは、
自分らしい未来へ、
少しずつ
歩き始めていくのだと思います。