かまこう

住宅街にひっそりと佇む、こぢんまりとした居酒屋。
この地味ながらセンスの良い外観が、訪れる人々に特別な感覚を与えます。

店内はL字型のカウンターがあり、6～7名が座れば満席になるほどの小さな空間。店を切り盛りするのはショートヘアの女将さんで、彼女のはっきりとした顔立ちは、かつての美しさを偲ばせます。昼下がり、先客の年配のお父さんたちは、テレビを見ながらランチビールを楽しんでいました。

昼の献立はわずか3種類、どれも600円という驚きの価格。私が選んだ「鳥の照り焼き定食」は、手際よく10分ほどで提供され、まさに手作り感溢れるおふくろの味。ジューシーな鳥のもも肉にパリッとした皮、甘辛い味付けがご飯を進めます。付け合わせの味噌汁は、白菜、ワカメ、玉ねぎと具沢山で、春雨の酢の物も添えられています。

夜はボトルキープされた焼酎のボトルが壁に並び、より賑わう様子。この小さな居酒屋は、昼も夜も、訪れる人々にとって特別な場所。600円でこのクオリティの食事を楽しめるのは、まさに隠れ家のようなこの店ならでは。夜の部もぜひ訪れてみたい、そんな想いを強くさせられる、心温まる体験でした。