朝起きた瞬間から首が重い。枕を三つ買い替えた。低反発も、そば殻も、高さ調整ができるものも試した。それでも二週間で元に戻る。
そういう方が毎週来られます。最後はいつも「結局どれを買えばいいんですか」で終わるのですが、順番が逆なのです。枕が合っていないのではなく、枕を選べない首になっている。
枕は、あおむけに寝たときの後頭部とマットレスの隙間を埋める道具です。その隙間の高さが、実は毎日変わります。画面を見続けて首が前に出たまま固まった日の夜は深くなる。しっかり歩いた日の夜は浅くなる。同じ枕でも、昨日は合っていて今日は合わない。買い替えても解決しないのは当たり前なのです。
首を前に引っ張っているのは、首ではありません。ひとつは肩甲骨の内側。首の後ろの筋肉はここまで長くつながっていて、板のように固まっていると首だけ緩めてもまた引き戻されます。ふたつめは鎖骨の下と脇の前。意外に思われますが、体の前側が縮むと肩が内に入り、頭が前に出ます。背中ばかりほぐしても楽にならない方は、ほぼここです。みっつめはあご。食いしばりの癖がある方は、あごの筋肉が首の前側を引き込みます。
今夜からできることを三つ。あおむけで後頭部を軽く押す、五秒押して五秒ゆるめるを五回。両手を頭の後ろで組んでひじを開き、深呼吸を三回。そして枕を変えるなら一晩ではなく一週間使うこと。毎晩違う枕を試すのが、いちばん遠回りです。
からだ工房 本館は機械を使いません。手だけです。担当は最後まで代わりません。個室です。首が主訴の方でも、最初に触るのは首ではありません。土台を先に作ってから、最後に首そのものを扱います。
朝10時から夜25時(翌1時)まで、年中無休。80分コースは23時40分までのご予約で承ります。枕売り場で三十分悩むより、一度お越しください。