1936年に群馬県前橋市で生まれた司修は、幼少期を戦争のなかで過ごし、9歳で空襲を体験しました。戦中戦後に刻まれた生々しい記憶は、彼の原動力となり、戦争体験者として、また今を生きるものとして、問題意識を抱えながら折々に感じるものを表現し続けてきました。司の作品は絵本や絵画にとどまらず、本の装幀、小説、批評、映像やインスタレーションなど幅広いジャンルに及び、そこからは、ものごとを深く見つめ、常に新たな挑戦をしている姿が伝わってきます。
原爆も司が長年取り組み続けたテーマでした。『まちんと』(松谷みよ子・文 偕成社 1978年)は、1945年8月6日の朝、広島で被爆して「まちんと(もうちょっと)」とトマトをねだりながら亡くなった少女を主人公にした絵本です。本展では、『まちんと』を核としながら、初期から近作までの作品を展示し、88歳のいまも思索と表現を続ける司修の世界を紹介します。

●会期
2025年5月16日(金)~2025年7月21日(月・祝)
○開館時間=10:00~17:00(最終入館は16:30まで)
○休館日=月曜日(7/21は開館)
●会場
ちひろ美術館・東京
https://chihiro.jp/tokyo/
●料金
大人1200円/18歳以下・高校生以下は無料
団体(有料入館者10名以上)、65歳以上、学生の方、保護者割引(同伴する18歳以下の子ども1名につき2名まで)は900円/障害者手帳ご提示の方とその介添えの方(1名)は無料/年間パスポート3000円