腕時計というのは、もともと時間を見るための道具でした。でも最近は、歩数を数えたり、心拍数を測ったり、睡眠の様子を記録したり。ずいぶん働き者になりました。
面白いのは、毎日何気なく暮らしている自分を、数字がそっと教えてくれることです。
「今日は意外と歩いてますね。」 「昨日は少し夜更かしでしたか。」
そんな具合に、体が無言で出しているサインを翻訳してくれる。人間は案外、自分のことを知らないものなんですね。
もちろん、表示される数値は健康状態を診断するためのものではなく、日々の生活を振り返る目安です。でも、その「ちょっと気づく」が積み重なると、階段を選んでみたり、少し早く寝てみたり、小さな変化が生まれます。
健康というのは、特別なイベントではなく、毎日の暮らしの風景そのもの。
腕の上の小さな相棒を眺めながら、「今日は昨日より少し元気かな」と体と世間話をする。それくらいが、案外ちょうどいいのかもしれません。