私がカウンセリングさせていただくときには、ご夫婦各々のご両親のお話も伺います。なぜなら、夫婦問題の背景には、育った環境が影響していることがあるからです。紹介するのは安心して過ごせない家庭環境で育った共通点を持つご夫婦の例です。
■共通していた「安心して過ごせない家庭環境」
夫は、幼少期に父親の暴力や依存症、母親の精神的に不安定で、「安心できる場所」とは言えない環境でした。
妻もまた、親との関係に問題あり現在はほぼ絶縁状態。頼れる家族がいないという状況。二人共、「人に安心して頼る」「安定した関係を築く」という経験を十分持たないまま大人になったのです。
■すれ違いを生むコミュニケーション
結婚後、二人の関係には徐々にズレが生まれていきました。
妻は不満や怒りをストレートに表現するタイプ
夫は衝突を避けるため、謝ってその場を収めるタイプ
「夫が優しく折れている」ように見えますが、問題は何も解決されていません。
夫には不満が蓄積、妻は「わかってもらえていない」と感じ続ける悪循環。
■なぜ話し合いができないのか
夫は、両親の激しい喧嘩を見て育ったため、「対立=怖いもの」と認識しているため、本音を伝えるよりも回避することを選び、
妻は、不安定な家庭環境の中で、「感情を強く出さなければ伝わらない」経験を積んできた可能性があります。
夫:対立を避ける(回避)
妻:感情を強く出す(表出)
真逆のコミュニケーションスタイルが衝突。
■表面的な改善では解決しない理由
妻は心療内科を受診し、服薬によって感情の安定が見られました。これはあくまで「表面的な安定」です。
根本にあるのは、
愛着の不安定さ
他者との関係の築き方の未学習
本音で対話する力の不足
という、より深いテーマです。
■本当に必要なのは「関係の学び直し」
夫婦間で、正しい、正しくないということをジャッジすることは必要ありません。
必要なのは、
安心して気持ちを伝える練習
相手の感情を受け止める経験
衝突しても関係が壊れないという実感
といった「関係性そのものの学び直し」です。
誤解のないようにお伝えしたいのは、「安心して過ごせない家庭環境」で育つと幸せな結婚生活を送れない、ということではありません。
話し合いがうまくいかないと感じているなら、「努力不足」ではなく「やり方を知らないだけ」。ぜひ、ご連絡ください。