シンスプリント(内側脛骨ストレス症候群)とは?
ランニングや運動を始めた人がスネの内側に痛みを感じる場合、それは「シンスプリント」の可能性があります。
脛骨(スネの骨)やその骨膜に、繰り返しの負荷で微小な損傷が起こることが原因で、放置すると「疲労骨折」に進行することもあります。
発症しやすい人の特徴
BMIが高い人、女性、扁平足、急に運動量を増やした人、硬い路面で走る人、運動初心者などはリスクが高くなります。これは筋や骨へのストレス耐性が十分でないためです。
最新研究が示すメカニズム
従来は「骨膜炎」と考えられていましたが、近年の研究では「骨ストレス性損傷」が主な原因であることが分かっています。
MRIや組織分析の結果、以下のことが明らかになりました:
骨のストレス反応:骨の内部に微小なひびや浮腫が発生。炎症細胞は少なく、骨自体の損傷が中心。
筋の牽引ストレス:ヒラメ筋や後脛骨筋の過剰な引っ張りが骨表面に負担を与える。
進行の過程:過負荷 → 骨内浮腫 → 微小損傷という段階的悪化が確認。
つまり、繰り返しの着地衝撃と筋膜の張力が重なり、修復が追いつかなくなることで痛みが生じるのです。
回復と予防のポイント
シンスプリントの回復には「負荷軽減」と「修復促進」が重要です。
1.運動負荷の調整:距離・強度を急に増やさず、週ごとの運動量は10%以内の増加に。
2.ふくらはぎのストレッチ:ヒラメ筋・後脛骨筋を中心に柔軟性を保ち、骨膜への負担を減らす。
3.シューズ・インソールの見直し:衝撃吸収とアーチサポートを重視し、足の過回内を防ぐ。
まとめ
痛みを我慢して走り続けると、症状が悪化し骨折リスクが高まります。
「痛み」は体の警告サイン。適切な休養とストレッチ、靴の見直しで再発を防ぎましょう。
シンスプリントを正しく理解し、無理のないトレーニングで健康的に運動を楽しむことが大切です。
