春から秋にかけて大会が続き、連戦で肩や肘を痛める選手が増える季節。オフシーズンに投げ込みが増えるチームも多く、野球選手にとって「肩の痛み」は避けて通れないリスクです。私自身も学生時代にインピンジメント症候群を経験し、痛みを我慢して投げ続けたことで長引いた苦い経験があります。無理を続けると回復が遅れるため、早めのケアが重要です。
野球肩とは?
野球肩とは、投球動作の繰り返しにより肩関節や腱板、関節唇などにストレスが蓄積して起こるスポーツ障害です。特に投手や外野手など、オーバーヘッド動作が多い選手に多く見られます。
主な原因は以下の通り
反復動作:投球の繰り返しで微細損傷が蓄積
過度な外旋ストレス:前方関節包が伸び、後方が硬化(内旋制限=GIRD)
肩甲骨の機能不全:肩の安定性が崩れインピンジメントを誘発
投げすぎ・休養不足:疲労回復が追いつかず障害リスク上昇
科学が示す野球肩の真実
研究によると、GIRD(内旋制限)を持つ投手は腱板損傷やSLAP損傷のリスクが高いことが判明しています。
また、投球数の制限や休養の確保、肩甲骨周囲筋の強化と柔軟性向上が有効な予防策として示されています。
メカニズムとしては、
後方関節包の短縮 → 骨頭の動きの乱れ
肩甲骨の可動不全 → 骨の衝突(インピンジメント)
微細損傷の蓄積 → 腱板や関節唇の損傷
が重なって痛みが生じると考えられます。
専門家が勧めるセルフケア3選
ストレッチ:スリーパーストレッチで肩後方の柔軟性を保つ
肩甲骨エクササイズ:セラバンドで前鋸筋・僧帽筋下部を強化
投球管理:投球数や登板間隔をしっかり管理し、休養を確保
健康な野球人生のために
野球肩は「投げすぎ」「アンバランス」「休養不足」の積み重ねで発症します。
日頃からのストレッチ・筋トレ・休養の3本柱を意識することで、痛みを防ぎ、長くプレーを楽しむことができます。
努力した分だけ体にも負担がかかるからこそ、しっかりケアして自分の体を守ることが何より大切です。
