近年、日本の高温多湿な夏では、熱中症が誰にとっても身近なリスクです。予防法は医学・公的ガイドラインに基づき以下のようにまとめられます。
1. 基本行動とその科学的根拠
暑さを避ける
屋内ではエアコン・遮光カーテン使用、温度計・WBGTを見る。屋外では日傘・帽子・日陰の活用とこまめな休憩が有効です 。
水分+塩分をこまめに補給
喉が渇く前に経口補水液やスポーツドリンクを摂取。多量発汗時は塩分入りの飲料や食塩水(0.1–0.2%)も◎ 。
通気性の良い服装を選ぶ
綿や麻などの吸湿速乾素材、明るい色・ゆるめのデザインで体温のこもりを防ぎます 。
激しい運動や過労を避ける
暑い日は特に無理せず、朝夕の涼しい時間帯に活動を限定。徐々に体を暑さに慣らす「暑熱順化」も大切 。
高リスク集団への配慮
高齢者や乳幼児、持病のある人は感覚が鈍くなり脱水にも気づきにくいため、 周囲が声かけ・見守りを強化 。
2. 特に注意すべきタイミング
梅雨明け直後:体が暑さに慣れておらず、調節機能が低下しやすい
気温30℃超えや湿度高↑:体感が上昇し、リスク大
熱帯夜:夜間も体温が下がらず、睡眠中に脱水になるケースあり。また熱中症の発症ピークは 午後2〜5時 。
3. すぐに使える実践策
水分補給のリマインダー設定:2~3時間ごとにスマホアラート、高齢者や子どもには見守りサポート
外出計画の工夫:日差しの強い時間は避け、帽子・日傘・サングラスを必携
冷感グッズ活用:ネッククーラー・冷感タオル・携帯扇風機などは外でも◎
初期症状への速攻対応:めまいや頭痛があれば涼しい場所へ、水分+塩分補給をし、重症の場合は医療機関へ
知識共有と家庭内対策:家族で熱中症の兆候や対応方法を確認し合い、とくに感覚が鈍くなりやすい高齢者・男性などへの注意喚起を。
応急対応ステップ
1.涼しい場所へ移動
2.身体を冷却
3.水分+塩分補給(意識障害時は飲ませない)
4.症状の経過観察
心拍や呼吸状態、意識レベルをチェックし、症状が改善しなければ速やかに病院へ搬送します 。
軽度の場合は「涼しい場所への移動→冷却→水分・塩分補給」で十分対応できます。意識障害や嘔吐、反応鈍化が見られたらすぐに専門的な医療を受けることが重要です。初期から適切な対応をすることで重症化を防げるようになります。
