紫陽花の彩りが雨に映え、夏の足音が少しずつ近づいてくる季節となりました。この時期になると、受験を終えて巣立っていった卒業生たちのことを思い出す機会が増えます。
先日、一人の卒業生が突然塾を訪ねてきました。
「先生、お久しぶりです。」
という声。振り返ると、そこには立派な美容師となった卒業生の姿がありました。
彼は在塾中、決して「手のかからない生徒」ではありませんでした。宿題は忘れる、授業中は集中が続かない、何度注意しても同じ失敗を繰り返す。正直、私も何度頭を抱えたかわかりません。それでも、不思議と憎めない生徒で、叱られた後には決まって照れ笑いを浮かべ、「次は頑張るわ。」と言っていた姿が今でも目に浮かびます。
そんな彼が、今は美容師として毎日忙しく働いています。結婚もして、子どもも生まれました。と笑顔で話してくれました。そして最後に、
「あの頃は先生方にたくさん迷惑をかけました。でも最後まで見放さずにいてくれたこと、本当に感謝しています。」
と言ってくれたのです。
学力や成績だけを見れば、当時は決して順風満帆ではありませんでした。しかし、社会に出てから必要とされるのは、失敗しても立ち上がる力、人との信頼を築く力、そして誰かへの感謝を忘れない心です。彼の穏やかな表情を見ていると、それらをしっかり身につけ、大切な家族を守りながら充実した人生を歩んでいることが伝わってきました。
塾の役割は、志望校合格だけではありません。子どもたちが将来、それぞれの場所で幸せな人生を歩んでくれること。それこそが私たちにとって何よりの喜びです。卒業生の笑顔に触れ、「教育とは未来を育てる仕事なのだ」と改めて実感した一日でした。
進栄セミナー守口校 塾長