痛みやしびれは、感覚の問題に見えて、実は“電気現象”です。その出発点にあるのが、体内のイオンバランス(濃度勾配)の崩れです。正常状態と損傷時のイオン変化を数値で比較し、それがどのように神経の興奮=痛みにつながるのかを記しました。
■正常と損傷時のイオン変化(比較)
イオン 正常 損傷時
Na⁺(細胞内) 約10 mM ↑20〜40 mM
K⁺(細胞外) 約4 mM ↑10〜20 mM
H⁺(細胞外) pH7.4 ↓pH6.5〜7.0
Cl⁻(細胞外) 約100 mM ↑浮腫で増加
わずか“数倍の変化”で神経は発火しやすくなります。
■なぜこの変化で痛みが出るのか
① Na⁺増加(細胞内)
細胞内にNa⁺が増えると、膜電位が浅くなり神経が興奮しやすい状態になります。
② K⁺増加(細胞外)
通常は細胞内に多いK⁺が外に漏れることで周囲の神経が脱分極しやすくなります。
③ H⁺増加(酸性化)
pH低下により痛覚受容体が刺激されやすくなります。膜の水和が低下し、電気特性が悪化します。
④ Cl⁻増加(浮腫)
間質に水分が増えることで電気の流れが乱れ、局所環境が不安定化します。
■これらは“電気的な異常”として現れます。イオンのズレは、単なる化学変化ではなく、電気的な変化として現れます。
■アキュスコープの視点(数値 → 電気)
これらの異常は以下に変換されます。
・インピーダンス(Z)
・容量(C)
・電位のゆらぎ
■具体例
K⁺外↑ → 膜電位が不安定
H⁺↑ → 水和低下 → 容量(C)低下
Na⁺内↑ → 発火しやすい
つまり「痛み=電気の乱れ」です。
■正常とは何か
正常とは単なる濃度ではなく“勾配”が保たれている状態です。
■理想的な状態
・Na⁺:細胞外に多い
・K⁺:細胞内に多い
・Ca²⁺:細胞内は極めて低い
この圧倒的な濃度差が−70mVの安定した膜電位を作ります。
■臨床での意味
痛みを取るとは、単に筋肉をほぐすことではなく、イオン環境と電位を正常に戻すことです。
当院は痛みに真剣に向き合い、痛みを緩和します。お困り事などがございましたら、お気軽にご連絡ください。