前回お話した非特異的腰痛は腰痛の85%を占めるものの、その原因は検査では特定できず、ストレスのせいにされているという話でした。
しかし、実際に痛みのある腰、ストレスだけの一言で終わらせていいのでしょうか?
ストレスはストレスでもそれなりの“理由”があるはずです。
そのストレスはどんなストレスなのか? ここでは踏み込みたいと思います。
そのヒントとなるのは、日本語に非常に多い「からだ言葉」の中にあると思っています。
こころの状態がわかる「からだ言葉」
東洋医学ではよく、「病は気から」といいます。
これは、からだの不調が、単にからだだけの問題だけでなく、気持ちや意識が関係していることを表現した言葉だと思います。
では、いったいどのような気持ちや意識がからだの不調になったのか?本当にそれがわかるのは神様しかないでしょう。しかし、それを推測するヒントはあります。
それが「からだ言葉」です。
ご存知と思いますが、からだ言葉は、からだの動作や状態で、心の状態を表した慣用句ですね。どうしていいのかわからないことを「頭をかかえる」、怒ることを「腹が立つ」、失敗して自分のポジションを失うことを「失脚」などなど、頭のてっぺんから足の先まで、たくさんのからだ言葉が日本語にはあります。
さあ、そこで“腰痛“の「からだ言葉」です。思い当たる腰の付くからだ言葉を上げると、「腰を入れる」「腰を据える」「腰が重い」「弱腰」「腰抜け」「腰砕け」「腰が強い」
「本腰を入れる」などがありますよね。
考えるに、「腰」の付くからだ言葉は、「決断決行」「本気度」「意思決定」を表しているように思えます。「腰が重い」「弱腰」「腰抜け」「腰砕け」などは、前進することを恐れ、決断実行できなかったり、途中で挫折する様を表しますし、「腰を入れる」「腰を据える」「腰が強い」「本腰を入れる」などは、本気度や初志完遂を表す言葉ですね。
長い人生、いろいろな岐路があります。その都度々、みんな悩みます。そんな時、体も心に同調して腰痛になるのかもしれません。そんな時は、鍼灸の施術を受けながらボヤくのも悪くありません。
