骨粗しょう症になると、わずかな衝撃や、物を持ち上げたとき、あるいは自分の体の重みで、背骨の骨がつぶれてしまうことがあります。
これを椎体骨折(圧迫骨折)といい、咳やくしゃみをしただけで骨折してしまうこともあるのです。
背骨は椎骨という骨が積み重なってできています。
この椎骨が折れてしまう椎体骨折は、骨粗しょう症による骨折の中ではもっとも多くみられます。
70歳代前半の人では25%、80歳以上では43%もの人にみられ、しかもその半数以上の人で複数の椎骨が骨折しているとされます(骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインから)。
椎体骨折は大きくつぶれると痛みが生じますが、少しつぶれた程度では痛みがなく、気づかない人が多いのが特徴です。
背中が丸くなる(円背)、身長が縮む、背中や腰に痛みがあるときは、椎体骨折のサインかもしれません。
そのまま放置していると、背中を動かせる範囲が狭くなったり、内臓を圧迫して逆流性食道炎や呼吸機能障害などの合併症を招くこともあります。
