インスリンとインスリン受容体の両方が活発に機能しないと、ブドウ糖はどんどん血液中に余ってしまい、血糖値が高くなります。
その状態がしばらく続くと、糖尿病になってしまうのです。
どちらか片方が元気でも、片方が結合を拒否してしまえば、ブドウ糖は細胞に入って行けないのです。
2型糖尿病(注)の場合、インスリンの出が悪い方もおられますが、多くの場合、インスリンはある程度出ている方がほとんどです。
インスリンが元気がないか、インスリン受容体が元気がないかのどちらか、あるいは両方が関係しているのでは、と考えられます。
ここまでで、糖尿病を発症してしまう理由を簡単に考えてきましたが、このような大変やっかいな糖尿病の治療には、現在どのようなものがあるのでしょうか。
明日からそれをご紹介いたします。
(注)1型糖尿病(膵臓のランゲルハンス島でインスリンを分泌しているβ細胞が死滅する病気です。原因は主に自分の免疫細胞が自らの膵臓を攻撃するためと考えられています(自己免疫性)、まれに特発性のものもみられます)
2型糖尿病(インスリン分泌低下と感受性低下の二つを原因とする糖尿病で、一般的に生活習慣に起因する場合が多いです)
