tRNAの硫黄修飾による翻訳制御
mt-tRNAのs2およびms2修飾の修飾欠損は呼吸鎖複合体のサブユニット合成を低下させ、ATP産生と脂質代謝に負の影響を与えます 。s2修飾やms2修飾などの酵素の欠損は、小児急性肝障害や筋・心筋障害など、代謝依存臓器での障害を引き起こすことがマウスモデルや臨床研究で示されています 。
細胞内の核DNAとミトコンドリアDNAの相互作用
核DNAとmtDNAの配列不整合が代謝異常や老化の進行を促進することがマウスモデルで示されています。特に、mtDNAのバリアントが核ゲノムと最適に一致しない場合、インスリンシグナル伝達や脂質代謝が異常となり、肥満や老化関連指標に影響します 。
脂肪肝・MAFLDとミトコンドリア代謝
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD/MAFLD)では、肝細胞に過剰脂肪が蓄積すると、ミトコンドリアβ酸化障害、酸化的リン酸化低下、ROS増加が連鎖的に起こります。これにより脂質代謝の破綻がさらに進行し、インスリン抵抗性や炎症が促進されます 。ミトコンドリアの融合・分裂・オートファジー(マイトファジー)サイクルの異常も、脂肪肝進展や肝障害に深く関与します。
神経細胞・老化との関連
神経細胞では、ATP産生の低下やROSの増加が細胞傷害を引き起こし、軸索でのミトコンドリア輸送減少はオートファジー低下やタンパク質恒常性の破綻につながります。結果として加齢依存的神経変性疾患のリスクが増加します 。