レストラン＆バー　ボルボル

　インド料理って、多彩なスパイス使いという点ではインド固有のオリジナルな料理文化だけど、料理の手法そのものは「イランやアフガニスタンから伝わった外来の文化だった」なんて言うと意外でしょうか。
　実は日本人が大好きなタンドーリチキン、ナーン等タンドール料理やビリヤーニは明らかにイスラーム由来の外来の料理。発祥はイラン（現アフガニスタンを含む）なんですって。へぇ〜って感じです。
　というわけで、以前から気になっていたイラン料理のこの店に行ってきました。


　この日オーダーしたのは
　　ホモス（ナン付き）（750円）
　　ケバブクビデ（1100円）
　　ゴルメサブジ（インディカ米のご飯付き）（1400円）


　全然予備知識がなく不安だったので、店主のボルボルさんに聞きながらオーダーを決めました。とはいえ、インド料理屋でやってるいつもの調子的なノリです。

　前菜その１はチャナ豆や胡麻、ピーナッツを砕いて大蒜やオリーブ油（？）なんかを加えて作ったディップソースのホモス。一緒に付いてくるイラン式のナンで摘んだり拭ったりして食べます。おおっ、１発目からウンマいわ〜！ホモスってチャナ豆のこと？でもチャナよりピーナッツが良い味出しています。大きなチャパティのような味わいのナン１／３程でスルっと。

　続いて前菜その２のケバブクビデ。ラムとビーフの合い挽きカバーブです。ケバブに合わせるヨーグルトソースもメニューにあったようですが見落とし。無くても肉の旨味が十分以上有るのでウンマいです。インド料理のノリでナンで掴んで食べてもウンマい。インドと違い鉄串ではなく、金属板にミンスミートを巻いて焼き上げるそうで、筒状ではなく平らな形状です。辛味はなく肉の旨さだけで食べられます。ケバブでナン１／３強を消費。

　主菜はゴルメサブジとインディカ米のご飯。サブジと言っても汁無しの炒め蒸しではなく、マトンとラジマ豆をハーブたっぷりの草色のソースで煮込んだシチュー。
　「イラン人もご飯は手食？」とボルボルさんに聞いてみると「そんなの指が熱いじゃないの」と即座に否定されてしまいました。というわけでサブジを適量ご飯にかけ、スプーンで具を砕いてよく混ぜながら食べてみました（いつもこの作業はちゃっちゃと右手でやっているのでまどろっこしい）。
　んんん、これもウンマいなぁ！グレイビーと言っていいのか、コリアンダーや未知のイランのハーブ＝シャンベリレを使ったソースは独特の風味で長粒米と良く合うし、辛味の全くない優しい味だけど、ハーブやスパイスの風味でスパイシーと言っていい仕上がり。さらにマトンが丁寧に仕込んであって柔らかく、ウンマいお肉のご飯って感じです。
　ケバブに添えてあった胡瓜のピクルスを箸休めに、ご飯をパクパクと頂き、最後はサブジのボウルを残ったナンで拭って完食。

　その後、お客がみんな帰って私一人になったのをいいことに、ボルボルさんと雑談タイムに突入。そしたらイラン式のチャイをご馳走してくれました。イランではチャイを煮出す際に砂糖やミルクは加えないのだそうです。カルダモンやシナモン等スパイスのみ加えた紅茶です。
　ネイシャキャリと呼ぶ角砂糖を口に含んでから、紅茶を飲むのだとか。そうするとお茶を良く味わえるということです。私もやってみました。ネイシャキャリは日本のグラニュー糖の塊ではなく、CONE SUGARと表示されていて、味のある甘さです。口の中で少し溶かしては一口飲み、溶かしては一口飲みすると確かにお茶の味とネイシャキャリの味が双方味わえて良い感じ。
　インド式のミルクと砂糖たっぷりも良いですが、喫茶文化のある日本人にはこっちも楽しめるなぁ、なんて感じました。

　さすがインド料理のルーツ、侮れません。いやマジで惚れちゃいました。こうなると他のメニューがますます気になってきますね。また行きたいです。次回は料理はチキン系を、あと水パイプも試してみたいな〜。