顔は四角、性格は〇
私は長年にわたって腰痛で苦しんできました。
発症したのは高校一年生の16歳でした。
当時、クラブ活動で所属していた
陸上部でのある日の練習の際に、
左腰部に激痛が走ったのを今も覚えています。
施術はお決まりのコースをたどりました。
まずは地元仙台市内の整形外科にいき、
痛み止めの注射と牽引などの理学療法を受けました。
そして、コルセットを常時着用するよう言われました。
高校生にとって、コルセットが手放せなくなる人生を
想像するだけで目の前が真っ暗になりました。
これで選手生活に終止符が打たれるのは辛い。
叔父の勧めで、宮城県気仙沼市の施術院を訪ねました。
四十数年前のことですが、今だに鮮明なのは、
一回の手技施術によって腰の違和感と
脚のしびれがスッと引いたことでした。
驚愕でした。「食欲も出ますよ」と言われ、
その晩の夕食が大変おいしかったことを覚えています。
これが私の手技を受けた最初でした。
しかし、陸上競技での無理もたたって
度々腰痛が起き、その度に施術院に行くようになりました。
やがて、大学を卒業し、新聞社に入社、記者生活を始めました。
腰痛は持病となり、国内外の転勤に伴って、
その地の施術院を訪ね歩き、さまざまな施術法を試しました。
転機は40代になってからでした。
中学2年の時にスキーで膝の靱帯を損傷したことが
腰痛のそもそもの原因だとある施術院で指摘され、
ようやく合点がいきました。
過去の怪我がその後のさまざまな
体の不調につながっているケースは少なくありません。
ところが、根本原因までさかのぼって
探してくれる施術院は多くはありません。
施術効果が永続的なところもなかなか見つかりません。
改善しないいらだちを常に抱えながらの
数十年は大変辛いものでした。
長年、迷走した自らの施術体験を踏まえ、
「それなら自分が患者様をしっかり治せる施術師になろう」
と決断したのは当然の成り行きでした。
あん摩マッサージ指圧師の国家資格をめざして、
東京都大田区にある長生学園の門をたたきました。
ゴッドハンドと言われる施術者に共通するのは、
優れた技能に加え、温かい人柄、
治そうという強い信念の持ち主です。
こうした先達を目標に今、現場に立っています。