空は、相変わらず曇っている。まるで人生のようだ、などと言うと少々大袈裟だが、
まあ、だいたいそんなものだろう。灰色の雲は、今日も空を覆い、湿度はじっとり、気分はぐったり、身体はずっしり。
しっとり、どっしり、うっかり、げっそり。
…韻は、わりとしっかり、ぴったり。人間というものは不思議で、晴れていれば暑いと嘆き、雨が降れば晴れを恋しがる。まったく勝手ないきものである。まあ、いいじゃないですか。そういうもんです、人間だもの。…あ、これは別の人だ。梅雨明けは、まだ少し先らしい。けれど、雲の隙間から差す光を見るたび、ああ、夏は来るのだなと思う。来る、巡る、焦る、照る。季節は律儀だ。人間より、よほど真面目だ。だからこの時期くらい、少しくらい自分を甘やかしてもいいのではないか。頑張るのを、ちょっとやめる。急ぐのを、ちょっとやめる。気張るのをちょっとやめる。やめる、緩める、整える。温かいお茶を飲む。好きな音楽を聴く。何もしない時間を持つ。それだけで、案外いい。ゆるい、ぬるい、そこが尊い。夏が来たら、どうせ嫌でも忙しくなる。蝉はミンミン、人間はバタバタ。だから今は、のらりくらり。
ひらりふわり。ぶらりゆらり。明日は、少し晴れるだろうか。まあ、晴れても雨でも、空は空だ。そう考えると、少し楽になる。
人生、深刻に見えて、案外、そうでもなかったりそうだったり。身体を楽に、気を楽に、雲の向こうに、夏は確かに。しっとり終わり、すっきり始まり、雨のち晴れで、心もふわり。