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樹木剪定への想い
植物についての研究は、林業(木材の生産)や農業(食物の生産)の分野では社会にとって直接的な利益をもたらすため数多く行われていますが、街路樹や庭木の「剪定」については比較的少ないようです。
その理由は、樹木の枝をどんなに大きく切り取っても問題なく樹木の枝葉は再生しているように見え、たくましく生育しているからかもしれません。
私は樹木剪定の研究をしています。
研究の過程で海外の論文を調べていたところ、アメリカのEdward F.Gilman博士が執筆した「An Illustrated Guide to Pruning」という本に出会いました。
この本に書かれていることは私が考えていたことにとても近い内容で、英文ですが熱心に読むことができるほどの素晴らしさです。
エドワード・ギルマン博士は樹木剪定の研究を1990年頃から多く発表しています。
街なかの樹木剪定で主枝の頂芽を残す大切さは海外でも説いていたことを知り、大きな喜びを抱きました。
アメリカでこのような研究が進んでいることは、剪定工費を抑えるために、そして住みよい暮らしを保つために『有益な緑』の価値が認められつつあるからではないかと想像しています。
緑と人間社会が共生していくには、樹木にとっても私たちにとっても無理のない剪定管理が理想です。
この理想を実現するためには、時代にあった考え方を感じ取り、今までの価値観を見直していくことだと思います。