最新の研究成果を踏まえた「筋肉をつけるための食事とトレーニング
1) 栄養の基本原則
- 筋肉合成を最適化するタンパク質量
- 体重1kgあたり最低でも0.7–1.0 g/日を目安。筋肥大を狙う場合は1.0–1.6 g/日が推奨される研究が多い。体重70 kgなら約70–112 g/日。
- 食事ごとにタンパク質を分割して摂る。1回あたり20–40 g程度(若年層では25–40 g、年齢と筋肉量が少ない場合は40 g近くを目安にする研究もある)。
- タンパク質の質
- 動物性タンパク質(鶏胸肉、牛肉、卵、魚、乳製品など)は必須アミノ酸のバランスが良く、筋肉合成を高めやすい。
- 植物性タンパク質を主にする場合は、複数のタンパク源を組み合わせて必須アミノ酸の欠乏を補う。
- 炭水化物の役割
- トレーニング前後のエネルギー供給と筋肉糖の回復に重要。適切な炭水化物摂取はタンパク質の筋肉合成の効果を高めることがある。
- 筋トレ日にはトレーニング前後で合計1–3 g/kg/日程度の炭水化物を摂取するのが一般的。
- 脂質
- 総カロリーの20–35%を脂質から摂取。オメガ-3脂肪酸は炎症抑制・筋肉回復に良い影響を示す研究があるため意識すると良い。
- 総カロリー
- 筋肉を増やすには「カロリー過剰」が原則。体重1日の維持カロリーより約250–500 kcal多い程度を目安。個人差が大きいので、体重の変化を1–2週ごとに確認して調整。
2) トレーニング(せっしゅ)の要点
- 強度と頻度
- 週2–3回以上の全身トレーニング、もしくは部位別の分割(例:日1胸・日2背・日3脚など)を3–5日/週で実施。
- 各種目は中〜高強度(RM 6–12回で失敗するセットが出る程度)を目安に3–5セット/種目。
- 演習の選択
- コンパウンド(複数関節:スクワット、デッドリフト、ベンチプレス、プレス系)を中心に、単関節種目を補助的に組み合わせると効率が良い。
- 運動負荷の漸進
- 重さ、回数、セット、または難易度を毎週少しずつ増やす(漸進的過負荷)。
- 休息
- セット間休息は60–180秒程度。疲労が蓄積しすぎないよう調整。
- 回復
睡眠は筋肉回復に重要。7–9時間を目安。
ストレス管理と十分な水分・栄養補給。