デスクワークや座り作業が続く中で、姿勢が症状の一因になることがあります。
一見すると背すじが伸びていて、見た目には「良い姿勢」に見える場合でも、実は体には負担がかかっていることもあります。
今回は、体への負担を軽減しやすい座り姿勢のポイントをご紹介します。
良い姿勢とは?
ここでいう「良い姿勢」とは、見た目だけにとらわれず、体の構造的に楽な状態を保てる姿勢のことを指します。
一般的には、背もたれを使わず背すじを伸ばした座り方が理想的とされがちですが、注意が必要です。
形だけを真似して背すじを無理に伸ばすと、背骨の両側にある「起立筋」という筋肉に力が入りやすくなり、かえって疲労しやすくなることがあります。
大切なのは、筋肉で無理に支えるのではなく、骨格(背骨や骨盤)で体を支えることです。そうすると、筋肉が緊張せずに、自然な状態を保ちやすくなります。
【 体にやさしい座り姿勢のポイント 】
① 骨盤を立てましょう
骨盤が後ろに倒れてしまうと、腰や背中が丸くなりやすくなります。
椅子の座面に対して骨盤が垂直になるよう意識してみてください。
(これだけで自然と背すじが伸びる方もいます)
② 胸を開くように意識する
胸が縮こまり、肩が内側へ巻き込まれるような姿勢になると、背中が丸くなりやすくなります。
そこで、「胸を開く」意識を持つことがポイントになります。
コツとしては、左右の鎖骨の間(胸の中心)を、ほんの少しだけ上に持ち上げるようにすると、自然と胸が開きやすくなります。
ただし注意が必要なのは、肩を後ろに引いて肩甲骨を寄せるような「胸を張る」イメージとは異なるという点です。
このような力任せの姿勢は、かえって肩や背中に負担がかかることがあります。
姿勢には個人差があるため、実際には一人ひとりのお身体の状態を見ながらアドバイスを行っています。
今回ご紹介したポイントはあくまで参考例として、無理のない範囲で試してみてください。
「形」だけでなく、「体の負担を減らせる」ことも大切にしていきましょう。
