「話せなくなる子」は、サボっている
わけではありません
夕方のリビングで、
机に向かうお子さまの背中を見ながら、
声をかけていいのか、
そっとしておいたほうがいいのか、
迷ったことはありませんか。
進まない時間の中で、
お母さんの心もまた、
静かに揺れていることと思います。
私は長いあいだ、
いろいろなお子さまたちと関わってきました。
その中で、ひとつ
はっきり分かったことがあります。
立ち止まっているとき、
お子さまは怠けているのではなく、
心を立て直そうとしている、ということです。
うまくいかなかった記憶。
叱られた言葉。
比べられた経験。
そうしたものが胸の中に残ったままでは、
体だけを机に向かわせても、
心がついてきません。
多くの子どもたちは、
「やりたくない」のではありません。
「また失敗するのが怖い」
「できない自分を見られたくない」
そんな気持ちの中で、立ち止まっています。
だから私は、
「どこまで進んだか」よりも、
「いま、この子の心は動ける状態か」を
大切にしています。
疲れている日もあります。
不安でいっぱいの日もあります。
理由もなく、
何もしたくない日もあります。
そんなときに、
「早く」
「ちゃんと」
「もっと」
という言葉を重ねると、
お子さまの心はさらに
小さくなってしまいます。
家庭は本来、
評価される場所ではなく、
お子さまが
戻ってこられる場所であってほしいのです。
「今日はここまででいいよ」
「少し休もうか」
「落ち着いてからで大丈夫」
そんな言葉があるだけで、
お子さまの呼吸は少し深くなり、
また動き出す準備が、
静かに始まります。
学びのスタートは、
やる気ではなく、安心から。
このことを、私は現場で
何度も見てきました。
後半では、
この「止まっても戻ってこられる力」が、
なぜ一生の土台になるのかを、
もう少しお話しします。
進度よりも大切な「再起動できる力」
勉強が続かなくなる理由は、
能力の問題であることは、
ほとんどありません。
多くの場合、
疲れていること。
不安がたまっていること。
うまくいかなかった記憶が、
心に残っていること。
その状態のまま、
前に進もうとしている
だけなのです。
そんなときに必要なのは、
叱咤激励でも、
量を増やすことでもありません。
いったん、整えてから、
もう一度、そっと戻ってくること。
私はこの力を、
「再起動できる力」と呼んでいます。
疲れたら休めること。
乱れたら、また整え直せること。
うまくいかなかった日があっても、
そこから戻ってこられること。
この経験を重ねた子どもは、
途中で止まっても、
学びそのものを
手放さなくなっていきます。
実際のセッションでも、
眠そうな日は、
あえてゆっくりします。
集中できない日は、
無理に押し切りません。
それは甘やかしではなく、
「自分で立て直す感覚」を
静かに育てている時間です。
大学に行っても、
社会に出ても、
誰かがずっと横で指示を出してくれる
わけではありません。
だからこそ、
「どこまで進んだか」よりも、
「自分で戻ってこられるか」が、
人生の土台を静かに支えてくれます。
教科は手段。
進度は結果。
本当に育てたいのは、
何度でも立ち戻れる、
しなやかな心と力。
それが、
いまこの場所で私が
大切にしている学びの軸です。
「この子の将来、どうなるんだろう……」
そんなふうに思う夜があっても、大丈夫です。
少しだけ余裕のあるときに、
お子さまが
「できなかった理由」と向き合っていることに、
気づいてあげてください。
どのように乗り越え、
どのように成長していったのか。
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スタディ・コーチング・ラボラトリー
福田秀一