お母さんへ。
「週１回だけで、本当に伸びるんでしょうか？」
これは多くのお母さんが
一度は感じられる、
とても自然な不安です。
でも実は、私は
長年の指導の中で
「週１回なのに伸びる子」と
「週３回でも伸びない子」。
この理由に、
はっきりと気づきました。
子どもが動くエンジンは
「やる気」でもなく
「根性」でもない。
それは、
【安心感】です。
そして、もうひとつ。
お母さんが
「信じて待つ姿勢」を取り戻した時、
お子さんは見えないところで
静かに立ち上がり始めるのです。
これは、どのご家庭でも
共通して起きる
大切な「心の原則」です。
お母さんは、
こう思われたことが
あるかもしれません。
「回数が少ないと心配になります」
「他の子は週２回、３回と通っているのに…」
「このままじゃ置いていかれてしまうかも」
この気持ちはすべて、
「わが子の未来を思う温かい愛情」です。
だからこそ、まず
安心してください。
私はこれまで
数え切れないほどの
ご家庭と一緒に歩み、
ある確信を
持つようになりました。
「回数を増やすこと」と
「伸びること」は、
必ずしも一致しない
という事実です。
むしろ、
週１回というリズムが、
疲れやすいお子さまの
心を守りながら、
静かに力を
取り戻させてくれることが
多いのです。
学校でも家でも、
「ちゃんとしないと」
「がんばらないと」と、
ずっと心に
力が入り続けている子は、
週２回、３回と
予定を増やすほど
苦しくなってしまいます。
一方で、
週１回のペースには
心の余白が生まれます。
「今週は１回だけ頑張ればいい」
「残りの日は、ゆっくりしてもいい」
この余白が、
「よし、できるかもしれない」
という小さな勇気を生み、
お子さんの心を
前向きにしていきます。
そしてある日、ふわりと
表情が変わります。
「今日ここまで読めたよ」
「ちょっとだけやってみようと思った」
そんな言葉が
静かに生まれるとき、
それが本物の
成長の始まりです。
後編は、
週１回から生まれる
「心の回復」と
「前向きな行動」の物語を、
もう少し丁寧にお話ししますね。
（後編につづく）
前編を読んでくださり、
本当にありがとうございます。
心が疲れやすいお子さまを
持つお母さんにとって、
「週１回で大丈夫かな」という不安は、
とても自然なことだと思います。
この後編では、
週１回というペースが、
お子さんの心の奥で
どんな変化を起こし、
どのように
「学習への前向きさ」に
つながっていくのかを、
お話します。
週１回は
「心の疲れを降ろす時間」です。
週に一度のセッションは、
勉強を教えるだけの時間
ではありません。
学校や家庭で溜めこんだ
「心の荷物」を
そっと降ろす場所です。
ある生徒さんは、
セッションを続けるうちに
肩の力がゆっくり抜け、
表情がやわらかく
変わっていきました。
また別の子は、
「自分のペースでいいんだ」
と感じられた瞬間、
そっと教科書を開く
勇気を取り戻しました。
その姿を見て、
お母さんの表情がゆるみ、
「この子……少し
戻ってきたかもしれない」
と安堵される瞬間に、
何度も立ち会ってきました。
「責められない時間」が
静かな元気を育てます。
子どもは、
責められない時間が増えるほど、
心の奥に
静かな元気を蓄えていきます。
実は、この時間こそが、
週１回のペースが生む
最大の贈り物です。
「今日、ここまで読めたよ」
「次までに、これだけやっておきたい」
こうした言葉は、その子の中に
「やってみよう」という
主体性が戻ってきた証です。
焦らず進むための
「最適なペース」が週１回。
週１回というリズムは、一見
少ないように見えて、
実は、お子さんが
安心を回復しながら
前へ進むための
「最適なペース」です。
心が整ったときだけ進む——
この自然なリズムが、
学びを力強くし、長く続く
成長へとつながっていきます。
そして変化は、いつも
静かに訪れます。
「できたよ」
「読めるようになってきた」
この小さな一言こそが、
お子さまの未来を動かす
大きな一歩です。
どうか、お母さんも焦らず、
ご自分を責めず、安心して
見守ってあげてください。
その安心こそが、
お子さまを支える
一番の力になります。
（おわり）
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