こんにちは。
スタディ・コーチング・ラボラトリーの福田です。
日々、お子さまの成長を支えながら、
迷い、悩みながらも一歩ずつ
歩まれているお母さんへ。
今日も、敬意と感謝を込めて、
お便りをお届けします。
小学生のころは
楽しく勉強していたのに、
中学生になったとたんに、
急に国語が苦手になってきた。
理科や社会の文章題を読んでも
「わからない」と言うようになった。
そんなご相談が、最近
とても増えました。
これまで順調だったお子さんほど、
突然つまずいたように感じて、
お母さんのほうが
戸惑ってしまうことも
あるようです。
この背景には、
「ことばの力」が、
思っている以上に
大きく関わっています。
国語だけじゃありません。
「ことばの力」は
すべての教科の土台です。
国語力というと、
「漢字が書ける」
「読解問題が解ける」という
イメージかもしれません。
けれど、
本当に大切なのは、
目の前の文章をきちんと読み、
頭の中で整理し、
自分の言葉でまとめたり、
人に伝えたりする力です。
つまり、
思考の土台となる
「ことばの力」です。
この力は、
国語だけではなく、
数学の文章題や、
理科の実験レポート、
社会の記述式問題、
さらには、
英語の読解にも
つながります。
「国語が苦手」
という子の多くは、
他の教科でも
自信を失ってしまいがちです。
だからこそ、
ことばの力を育てることが、
すべての学びの
始まりなのです。
でも、
学校や塾の授業だけでは
育ちにくいのが現実。
多くの進学塾では、
国語問題の
「解き方」や
「テクニック」は教えてくれます。
進学校では、
ハイスピードで授業が進み、
「読むスピード」や
「正解率」が
重視される傾向があります。
もちろん、
それが悪いわけ
ではありませんが、
じっくりと読む力や、
一つひとつの言葉を理解し、
つなげて考える力は、
どうしても
置き去りにされるのです。
「読めているつもりだったけど、
実は意味がつかめていなかった」
という子が実際に、
たくさんいます。
この「読めたつもり」が重なると、
教科書も問題文も、どんどん
理解できなくなります。
だからこそ、
「今」から始めることに
大きな意味があります。
中学生になると、
進路や受験がだんだんと
現実味を帯びてきます。
高校入試はもちろん、
将来の進学や
就職を見すえたとき、
「読む・書く・話す・聞く」
という基本の力が、
その子の人生の選択肢を
大きく左右します。
ことばが増えると、
思考の幅が広がり、
子どもたちの表情が
凛々しくなっていきます。
「自分の考えが伝わる」
「相手の気持ちが分かる」
そんな体験が、
その子の「心の引き出し」を
増やしていきます。
ことばの力が育った子は、
実際に、グングン伸びています。
たとえば、
中学２年生の女の子。
最初は
「国語って感覚でしょ」
と言っていたのに、
音読を通して語彙が増え、
短い文章を絵にしたり、
キーワードを並べてみたりしながら、
「読むコツ」をつかんでいきました。
次第に
社会の記述問題が得意になり、
英語でも
「意味を考えて並べた方がいい」と
自分から言うように。
「学校の授業が前よりラクになった」
そんな声が聞けたとき、
私は心の中で小さな
ガッツポーズです。
ここで改めてお伝えしたいのが、
お母さんの存在の
大きさです。
「読解問題の解説なんてムリ」
「やる気を引き出せない」
そう思っても大丈夫。
大切なのは、
一緒に声を出して
読んでみること。
「分かりにくいねえ」と
共感してみること。
子どもたちは、
間違えたときのまなざしにこそ、
安心を感じています。
未来の力は、今この瞬間の
「ことば」から
生まれ続けています。
子育てには、
答えのない悩みがつきものです。
特に思春期の子どもたちは、
親にとっても
見えにくい存在です。
でも、そんなときこそ、
「この子のことばの力を
一緒に育てているんだ」
そう思いながら向き合えば、
お子さまの中に
小さな自信の芽が
育っていきます。
「この子でよかった」
心からそう思える日が、
きっと来ます。
その日を信じて、
今日もまた、一歩ずつ
歩んでいきましょう。
スタディ・コーチング・ラボラトリー
福田秀一
