こんにちは、福田です。
最近のセッションで、
Aちゃんの中に、
小さな変化の芽が
生まれていました。
それは、
「自分の感じ方や考え方を、
外に出してみようかな」という、
前向きな心です。
まだ言葉にならないけれど、
誰かと気持ちを
分かち合ってみたいという、
あらたな勇気が
芽生えつつあるようです。
一方で、Aちゃんにはまだ、
「失敗=ちょっと怖いもの」
という感覚も残っています。
練習中、
「間違えるのがイヤ」
と感じる瞬間があり、
その理由を
丁寧に探っていくと、
単なる恥ずかしさや悔しさ
ではなく、
「人に笑われたらどうしよう…」
という不安が、
隠れているようでした。
そんな気持ちを
掘り下げていく中で、
Aちゃんがぽつりと
話してくれたのが、
「わたしも、
人が間違えるのを見たら、
笑ってしまうことがある…」
というひと言でした。
それは決して
悪いことではなく、
むしろ、
「自分がそう感じるなら、きっと
他の人もそうかもしれない」と、
人の気持ちを想像する力が
育ち始めている証拠です。
心理学ではこれを
「メタ認知」と呼びます。
少し離れた場所から
自分を見る力。
これは、思春期の子にとって、
とても大切な成長の一歩です。
思春期こそ、
大人のまなざしや言葉が、
Aちゃんの心に
深く届きます。
「そんなふうに感じたんだね」
「そう思うのも自然なことだよ」
このように、否定されないこと。
そして、ただ
受け止めてもらえる経験。
これが、Aちゃんの中に
「間違えても大丈夫」
「自分の気持ちを話しても平気なんだ」
という安心感を
育ててくれます。
このような
やりとりを重ねながら、
Aちゃんの心の中に、
[安心できる居場所]を
広げていきます。
そしていつか、
Aちゃんが誰かに
優しいまなざしを向けるとき、
今のこの経験が、
心の土台に
なっていることでしょう。
そのためにも、
今後のセッションでは、
Aちゃんが安心して
「失敗」できる空気を、
一緒に作っていきます。
学びとは、
間違いながら
育っていくもの。
そのプロセスを信じ、
暖かく
見守ってまいります。

Aちゃんに
「他人の視点」を育てていく練習。
例えば、
登場人物のセリフを
声に出して演じてみること。
「この人はどう思ったのかな?」
と一緒に考えること。
感想を言い合うときも、
「自分はこう思ったけど、
他の人はどうかな?」
と問いかけてみることで、
[ちがう感じ方]を自然と
受け入れられるようになる。
こんなステップを続けます。
言語能力開発プログラムの一環として、
良質な物語の音読と
語らいを通じて行います。
登場人物の気持ちを想像し、
ことばを自分の中に
響かせる時間は、
Aちゃんの
「他者理解」と「自己表現」の
土台です。
読むことと語ることを通じて、
Aちゃんの
[内なることば]が豊かになる…
そのプロセスを、
大切にしたいのです。
Aちゃんには、もうひとつ
大切な記憶があります。
それは、小学生のころ、毎日
一生懸命に勉強していた日々。
お母さんが、長時間、
夜遅くまで、そばに
寄り添ってくれたこと。
そのご努力に、私は
心から敬意を表します。
一方で、当時の
「がんばらなきゃ」という
強い思いが、
今のAちゃんに、
無意識のプレッシャーとして
残っているように
感じることもあります。
「ちゃんとやらなきゃ」
「間違えたらいけない」
「もっと、うまくやらなきゃ」
そんな気持ちが、Aちゃんの
[やってみたい]という芽を
押し込める瞬間があります。
でも、それはAちゃんが
真面目で、責任感が強く、
一生懸命だからこそ
生まれる自然な心の動き。
責める必要など、
全くありません。
今後のセッションでは、
あえて私が
軽く間違えてみせて、
「先生、また間違えた〜」と
一緒に笑えるような
ムードを作っていきます。
また、
「間違いって、学びの入口なんだよ」
というメッセージを
毎回届けます。
間違えるたびに、少しずつ
自分を好きになれる時間。
そんな安心の空気を、
Aちゃんと育てます。
Aちゃんの
「どうせダメかも…」が
「やってみようかな」へと
変わるまで。
そして
「アタシ、けっこうイケるかも!」
という実感が生まれるまで。
ご家庭とオフィスで
心を合わせて伴走します。
スタディ・コーチング・ラボラトリー
代表 福田秀一
