お母さん、今日も一日、
お子さんのことを考え、
家事もこなしながら、
本当にお疲れさまでした。
お子さまが、宿題や
勉強に向かう時間になると、
「もうイヤ」
「できない」
「わかんない」
そんな言葉が返ってくること、
ありませんか?
きっと、ありますよね。
そして、そのたびに、
胸の奥がズシンと
重くなるような、
どこか寂しくて、情けなくて、
でも、
怒りたくもなるような……
そんな気持ちになることが、
あると思います。
でも、今日は少しだけ、
「できない…」という
子どもの言葉の、
奥の奥に潜む意味に
耳を傾けてみませんか。
お子さまが
「できない」と口にするとき。
その言葉の奥には、
たくさんの感情が、
折り重なるように
隠れています。
たとえば
「間違ったら恥ずかしい」
「前にできなかったから、もうイヤ」
「がんばってもムダだって思われたくない」
「自分よりできる子と比べられたくない」
「お母さんが、がっかりするのが怖い」
そんな、
言葉にならない「心の声」が、
「できない…」という
たった一言に、ぎゅっと
詰まっているのです。
とくに、
小学生の子どもたちは、
自分の気持ちを、
そのまま素直に言葉にするのが、
まだ難しい時期です。
だから、
「できない」と言っているとき、
お子さまの心は、、、
「怖い」
「不安」
「やってもムダ」
「もう嫌になりそう」
そんな気持ちを抱えていても、
自分でもうまく
気づけていないのです。
あるいは、
気づいていても、それを
どう言葉にしていいのか、
わからない。
だからこそ、子どもたちは、
精いっぱいの気持ちを込めて、
「できない」とだけ、
つぶやくのです。
けれど、その言葉だけを
そのまま受けとってしまい、
「また言ってる」
「努力が足りないんでしょ」
「甘えないで」
そんなふうに返してしまうと、
子どもはますます、
自分の心を
閉じてしまいます。
「どうせ、わかってもらえない」
「がんばっても、怒られるだけだ」
そんなふうに感じたら、
心の中で灯っていた
やる気の火が、
すう~っと、どこかに
消えてしまうのです。

ですから、お子さまが
「できない」と言ったときは、
その言葉の奥にある気持ちを、
お母さんがそっと
想像してあげることが大切です。
もちろん、
毎日の中で、いつも
心に余裕をもって接するのは
難しい。というより不可能。
完璧でなくていいんです。
ほんの少し立ち止まって、
「今は怖くなっちゃったのかな」
「うまくいかなかった記憶が
よみがえったのかな」
そんなふうに思いを
巡らせてみてください。
気持ちに「居場所」を
つくってもらえるだけで、
子どもの心は少しずつ
落ち着きを取り戻します。
「そうだよね、
できないって思うときもあるよ」
「ちょっと一緒に見てみようか」
そのひと言が、
子どもにとっては
大きな支えになります。
「否定されなかった」という
安心感のなかで、
自分のペースで
前に進もうとする
力が芽ばえるのです。
勉強に必要なのは、
知識や練習だけ
ではありません。
それ以前に、
「できない」と言っても
大丈夫な場所。
安心できる心の安全基地。
そんな心の土台が必要です。
お子さまが
「できない」と言うとき、
それは、手を
振りほどきたいサインではなく、
もう一度、手を
にぎってほしいサイン
なのかもしれません。
「自分でもどうしていいか
わからないよ」
「でも、ここから
逃げたくないんだ」
そんな小さな、小さなSOS。
「できない」と言った瞬間こそ、
お子さまの心に
いちばん近づける
タイミングです。
怒られない。
見捨てられない。
そばにいてくれる。
そんな安心感があるから、
お子さまは
「やってみようかな」
と思えるのです。
その小さな一歩が、
やがて大きな自信へと
育っていきます。
今日もし
「できない」
と言われたなら。
一呼吸おいて、
その奥にある、お子さまの
気持ちを感じてあげてください。
お母さんにしか見抜けない
「本音」が、
そこにあるはずです。
それを受けとめられたなら、
今日のあなたは、それだけで
最高のお母さんです。
