夕方になると、
宿題はそっちのけで、
夢中になって
テレビゲーム。
気づけばあっという間に
1時間、2時間……。
「もうやめて」と声をかけても、
「あとちょっと!」と返され、
言えば言うほど
険悪な空気に。
そんな毎日に、
心を痛めている
お母さんへ。
「このままで大丈夫?」
「勉強は?将来は?」
そんな不安が
わいてくるのも、
決しておかしなこと
ではありません。
けれど、どうか
希望を
失わないでください。
子どもは、変われます。
そして、
お母さんのかかわり方一つで、
その変化はぐっと
加速していくのです。
大切なのは、
ゲームを頭ごなしに
悪者にしないこと。
たしかに、
のめり込みすぎると
バランスを崩します。
でも、ゲームには
集中力や判断力を
育てる一面もあります。
だからこそ、
「ダメ」と言うより、
「ほかの楽しい世界もあるよ」と
優しく提案してあげることが、
本当の意味での
切り替えになります。
たとえば、音読。
ほんの3分
でもいいのです。
お気に入りの本を、
お母さんと
一緒に声に出して読む。
「読めたね」
「上手だったよ」
その一言が、
子どもの中の
「自信の芽」を
育てていきます。
音読には、
脳を活性化させる
力があります。
ことばの世界と
つながる時間は、
ゲームとはちがった
心の満足を
子どもに
プレゼントしてくれます。
まずは今日、
ほんの少しだけ。
「ちょっとだけ、読んでみる?」
そのやさしい声かけから、
子どもの未来が、
すこしずつ動き出します。
一緒に笑った時間、
そばに座って
耳を傾けた記憶、
そのひとつひとつが、
子どもにとって、
かけがえのない
宝物になります。
やがて子どもは、
「自分で読んでみようかな」
そんな気持ちを少しずつ
持ち始めるようになります。
変化は
ゆっくりでも、
その歩みは
確かです。
大丈夫。
今日から、やさしく
始めていきましょう。

最初は
恥ずかしがっていても、
だんだんと自分の声に
自信が持てるように
なってきます。
すると、ゲーム以外でも
「楽しい」
「できる」
「ほめられた」
そんな小さな成功体験が、
少しずつ
積み重なっていきます。
ここが、最初の
転機になります。
また、
「お母さんと一緒にやる時間」が
日課になると、
子どもの心に
ふわっとした
安心感が広がっていきます。
実は、多くの子どもが
ゲームに夢中になる
背景には、
孤独感や不安が
隠れているのです。
ゲームの中なら、
だれにも否定されず、
自分のルールで過ごせる。
だから、やめられない。
そんな子どもの気持ちに、
まずはそっと
寄り添ってください。
「一緒に声を出す」
「一緒に笑う」
そんな時間が、
子どもの心のバランスを、
少しずつ
整えていきます。
「今日は音読してから
ゲームにしようか」
「10分だけ、お母さんにも
付き合ってくれる?」
そんな声かけから、
変化は始まります。
そして不思議なほど、
子どもはすっと
応じてくれることもあります。
「お母さんとなら、
やってみてもいい」
そう思える
時間を持てたとき、
子どもの表情は、
ほんの少し
やわらかくなるはずです。
そして何より大切なのは、
「子どもは変われる」と、
お母さん自身が
信じてあげること。
焦ったり、
イライラしたり、
思わず怒ってしまう日も
あると思います。
それでも、
「この子の未来を信じたい」
という気持ちが
根っこにあるなら、
子どもはちゃんと、
その愛を
受け取っています。
だからこそ、
今日から少しずつ。
たった5分の音読でも、
笑顔で「ありがとう」と
伝えるだけでも、
しっかり届いています。
ゲームの誘惑を
「がまんしなさい」
と押さえ込むよりも、
「こんな楽しい時間もあるよ」と
そっと
差し出してあげること。
それが、
子どもの世界を変える
明るい第一歩になります。
