【前編】
お子さまの可能性を信じて
じっくり育てる
「小学生のうちに、
しっかり学力をつけておかないと…」
不安を抱えながら、
塾に通わせたり、
家庭学習を強化されたりする
ご家庭も多いことでしょう。
もちろん、お母さんが
わが子の未来を思い、
一生懸命になるのは、
自然でとても尊いことです。
けれど時には、
その「がんばり」が、
お子さまの心を少しずつ
疲れさせてしまうのです。
芽を出したばかりの植物を、
無理に引っぱって
早く伸ばそうとしたら
どうなるでしょうか?
ぐんぐん大きくなるどころか、
根が切れてしまったり、
茎が折れてしまったりする
かもしれません。
子どもの成長も、
よく似ています。
大切なのは、
その子に合った「土」を整え、
必要な「水」や「栄養」を
与えてあげること。
そして、太陽の光のような
あたたかいまなざしで、
見守っていくことです。
焦らずに、
その子のペースを大切にする。
それが、
お子さまの持っている力を
自然に引き出していく
いちばんの方法なのです。
私がサポートしてきた
これまでの生徒の中にも、
こんな子がいました。
小学校では、
いつもクラスで最下位。
テストの点数もなかなか上がらず、
「どうせ自分には無理だよ…」と、
すっかり
自信をなくしていた男の子です。
でもある日、
「勉強って、
ちょっと楽しいかも」と
思える瞬間がやってきました。
きっかけは、ほんの少し
「遊びごころ」を
学びに取り入れたこと。
たとえば、
自分が興味を持った
テーマについて
自由に調べてみる。
わからないことを、
自分の言葉で
先生に質問してみる。
そんな小さな
「わかった!」
「なるほど!」という
体験の積み重ねが、
彼の心に眠っていた
「学びの芽」を、
少しずつ育てていったのです。
表情が明るくなり、
笑顔が増え、
「もうちょっと
やってみようかな」
と言ったとき、
私は
「この子は、きっと大丈夫」
と感じました。
【後編】では、この男の子が
中学生になって
どのように変わっていったのか。
そして
「子どもの可能性を信じること」の
重要性について、
エピソードを交えてお伝えします。
スタディ・コーチング・ラボラトリー
代表 福田秀一
