腱鞘炎とは、腱と腱鞘の間に起こった炎症のことで、通常は摩擦が無く手指の運動は滑らかに動くことができます。
その部分がなんらかの炎症が起こっていると腱鞘のすべりが悪くなり摩擦が生じてしまい、いたみがでます。
このいたみが起こる原因としては、手や指の使い過ぎがあります。手や指をたくさん使う職業関連から起こるものもありますが、執筆活動や家事、介護、乳児の抱っこ、果てにはスマホの使い過ぎなどからも起こり得ます。
腱鞘炎についてしっかりと知っていただくために、まずは腱鞘炎がなぜ起こるのかを話しますね。腱鞘炎は、腕や手にある「腱(けん)」と「腱鞘(けんしょう)」というパーツに炎症が起きている状態です。
腱(けん)」や「腱鞘(けんしょう)」がどんなパーツか、少し説明しておきます。
私たちが手の指を動かす時は、実は、指の筋肉だけじゃなく、手首からひじの間にある“腕の筋肉”も動いているって知ってましたか?
腕の筋肉が縮んだり伸びたりすることで、私たちは指を曲げたり伸ばしたりすることができるんです。
で、その腕の筋肉の伸び縮みを指に伝えているのが、「腱(けん)」という太いロープのようなパーツです。
指、腕の筋肉、そして腱、この3つのパーツは常に連動しています。
たとえるなら“操り人形”のようなかんじです。
操り人形は人形についている“糸”を引っ張ることで動く人形です。
この“糸”がいわゆる「腱」に当たります。
腕の筋肉がこの腱を引っ張ることで、動かしたい箇所(指)は動くんですね。
腕の筋肉が腱を引っ張り、指が動きます
そしてこの腱は、指を動かす際に変な位置にズレないよう、「腱鞘(けんしょう)」という名のトンネルの中に入っていて、固定されています。
なので、腱が動く際は、その腱鞘という名のトンネルの中を動くことになります。
さて、問題はここからです。
指を多く動かせば動かすほど、腱は腱鞘というトンネルの中をせわしなく動くことになります。
そうすると、その過程で、腱が腱鞘とこすれ続け、腱鞘が炎症を起こして腫れる場合があるんです・・・!
なぜなら、腱鞘が腫れると、トンネルの中が狭くなり、腱が動きにくくなるからです。
また、動きにくくなるだけでなく、腫れた部分に腱が触れるたびに「イタイっ!」といたみがでるようになります。
その症状こそが、腱鞘炎の正体です。
