『前十字靭帯損傷』について
前十字靭帯とは膝の関節の中にある靭帯で
前十字靭帯と後十字靭帯と重なり合って漢字の十のように
見えることから十字靭帯となっています(写真)
前十字靭帯の役割は脛骨(すねの骨:画像下)が大腿骨(太ももの骨:画像上)
前に出るのを押さえる働きがあります
発生機序
単独損傷(前十字靭帯の損傷のみ)と重複損傷(その他靭帯と合併)の二つがあり
単独損傷の場合はジャンプの着地や急停止、急な方向転換など非接触型が多く
バレー、サッカー、バスケット、ハンドボールなどに多く
重複損傷はタックルなどで膝に捻じりが加わって
膝が不自然な方向に曲がり
その他の靭帯までもいためてしまう接触型が多く
柔道、ラグビー、バスケット、サッカーなどのコンタクトスポーツに多いとされます
症状
受傷の際膝が外れたような感覚、断裂音と呼ばれる関節内で
何かがはじけたような音が聞こえたり
断裂時の激しいいたみがありその後膝周りに大きい腫れが出て膝を曲げれなくなります
受傷して長い期間がたつと階段の上り下りでいたみが出たり
膝の関節が抜けそうな不安定(膝くずれ)をかんじたりします
前十字靭帯は断裂してしまうと保存療法(手術をしない方法)では
断裂した靭帯はくっつかずちぎれたままになり
そうなると強い膝の不安感が残ります
スポーツレベルが高い選手やスポーツを活発的に行う人であれば
9割型手術となることが多いです
その他靭帯(内側側副靭帯、内側半月)をいためた場合不幸の3徴候と呼ばれ
特に重症となるので大半は手術となることが多いです
スポーツへの完全復帰まで最低1年かかるとされ、なおるまで時間がかかること、
なおってからも再断裂が多いことも特徴的です。
