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廃業が迫る旨いラーメン屋。幻の味になるか！？

5.00

投稿日: 2012/12/27

予算: ￥600

久しぶりに鳥栖に用事ができたので、鳥栖周辺でラーメン店を検索してみると、久留米ラーメンの旨い店ということで行きあたったのがここ「岡村屋」です。
見かけはラーメン店というよりも、喫茶店のような趣のある三角屋根でモダンな建物でした。
店内はカウンター席が８席、板張りの小上がりに６人用テーブルが３台。総収容人数２６名といったところです。
午後０時１０分というお昼時の真っ只中だったので、ほぼ満席でした。
カウンターの端っこに座ってメニューを見上げると、ラーメン１杯４９０円とあります。
大盛りは１００円増し。久留米ラーメンには珍しく替え玉もやっていて１個１００円。
ラーメン、餃子５個、小ライスのセットもあり、こちらは６９０円。
餃子は１人前２８０円。ハーフサイズは１９０円。
小ライスは１４０円ですからセットにすると１３０円もお得。
ほぼ満員なので厨房内も慌ただしく、推定年齢６５歳くらいのオヤジさんが主にラーメン作りをしており、二人の若いおねえさんが受注と配膳、片付けを担当していました。
セットを注文すると、おねえさんから「並みで良いですか？」と聞き返されました。
並み？
世の中が等級で分けられていて、一番良いのが「優」。続いて「秀」。「並み」というのが、まあ普通かな。「可」とも言いますね。
その下が「劣」。
並みで良いかと尋ねられると、いや、手抜きせず「優」か「秀」にして欲しいです。と答えたいのが人情。
並みというのが、ラーメンの等級ではないのは分かっていますが、ついそう思ってしまいます。

大盛りは多いので、ここは「並み」。すると今度は麺の硬さを尋ねてくれます。
これも久留米ラーメンでは珍しいです。
客の好みでラーメンの茹で加減を変えるサービスは長浜ラーメンから始まったもので、元々久留米ラーメンでは行なっておりませんでした。
最近では久留米でも替え玉や茹で加減のサービスは当たり前になってきたのでしょう。
せっかくですから、硬めで注文しテーブル上の調味料を観察してみます。
洋胡椒のほか、すりおろしたニンニク。紅しょうが。餃子用の酢醤油、ラー油などが置かれています。
女性が手伝っているからか、きちんと整頓されています。
麺を湯がいていたオヤジさんが湯きりを始め一声かけますと、二人のおねえさんが即座にオヤジさんの両脇を固め、麺を取り分けられた丼鉢に具を載せていきます。
一度に５〜６人分を作っているのが見えますがとても手際が良いですね。
出来上がったラーメン（並み）は、厚手のチャーシュー２枚、青ねぎ、半分に切った半熟卵。キクラゲ。見るからに濃厚そうな豚骨スープに中細のストレート麺はまさしく久留米ラーメンです。
ただ、残念だったのは海苔が載っていなかったことです。
私の場合、茹でたまごよりも焼き海苔が１枚欲しいですね。海苔と洋胡椒の風味が濃い豚骨スープにとても合うので、それが少し残念でした。
スープを掬って飲んでみると、ちょっと塩分の濃いその味はどこかで味わったことがあるような・・・多分久留米大龍だと思います。
久留米ラーメンもいろいろと進化派生を繰り返していますので、一定の味が定まっているわけではありませんが、同じ系統だというのはボンヤリと分かるような気がします。
代金を支払うとき、オヤジさんに「旨かったから、また来ます」と声をかけると、「もうすぐ廃業するから来るなら早めにおいでよ」と言われました。
年齢的にもラーメン稼業はきついんだとか。
このクチコミを読んで興味をもたれた方はお早めに。