硬膜に強いテンションが掛っていると、常に首の骨・胸の骨・腰の骨にも強いテンションが掛かります。
これは硬膜が背骨の脊柱管を通っているからです。頭蓋骨から脊柱、尾骨まで硬膜によって圧縮が掛るのです。
そして、心膜の制限。心膜からは首の骨につながる靭帯が存在しています。
その靭帯に引っ張られ、C6に異常な負荷がかかって制限を起こしている可能性があります。 C6を中心に頚椎に異常な負荷が掛り、神経が出てくる穴である椎間孔で問題が生じ、神経が圧迫をされているのでしょう。
その影響で首の骨に起始を持つ斜角筋に過度の緊張が生じ、その間を通る腕神経叢も圧迫。
さらに、胸の骨の制限により肋骨を介して胸膜に異常なテンションが生じ、胸膜を吊っている堤靭帯をひっぱり、これにより堤靭帯を通過する鎖骨下動脈の制限につながり、上腕動脈のテンションとして触知できたものと考えられます。
この方の場合は、1番の原因である硬膜・心膜への施術で脊柱に対する負担を解放する事が必要でした。
実際の施術もオステオパシーによる整体で、初回は、硬膜・心膜のリリースのみ。
2回目は、胸膜と斜角筋、腕神経叢、動脈のリリース。
3回目で、首の整体及び矯正。
今回で4回目の施術ですが、痺れ・痛みは緩和されており、その他の制限部位のリリースと首、肩、背中の筋肉に対し筋リラクセーションを行いました。
症状を抑えるためのテクニックも重要ですが、整体及び矯正で最も大切な事は、その患者さんをしっかり検査・評価して、1番の原因を知る事だと考えています。
中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長