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昭和にタイムスリップしてしまう麺類と丼物のお店

5.00
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うちの近所になかや食堂さんという古い佇まいの小さなお店があるのを知っていたので試しに行ってみました。外観からすでに昭和の匂いがプンプンします。上の看板の電話番号は市内局番がまだ3桁のままです。左上の縦型の看板には、写真ではよく見えないと思いますが、「うどん 丼物 中華そば 出前迅速 なかや食堂」と書かれています。お店の両サイドにはビニールに包まれていますが、提灯がぶら下げられています。お店の左側にあるショーケースのサンプルや値段は完全に色あせていました。

勘亭流のような味のある書体で書かれた紫色ののれんをくぐってお店に入ってみました。とりあえず席に着く前に、厨房の奥に向かっていつものように「きつねうどん」と注文しました。「きつねうどんですか?はい、わかりました」と昔はかなり美人であったことが容易に想像できる女将さんが笑顔で返事して下さいました。

きつねうどんができるのを待ってる間に、狭い店内をあちこちうろうろ位置を変えながら何枚も写真を撮りましたが、お店のかたもお客さんもそんなことを全く気に留める様子もなく、お客さんはテレビに見入っていらっしゃしました。やりやすいですね。こんなお店大好きです。

店内はカウンター席が2つのみで、大きいほうのカウンターに椅子8脚、小さいほうのカウンターに椅子4脚、補助椅子2脚が玄関横に置いてありました。12人〜14人で満席ということですね。メニューはご高齢のご夫婦お二人で切り盛りしていらっしゃるとは思えない非常に充実したメニューになっています。紙に印刷されたメニューだけで69種類、壁に貼り出されたものを含めると70種類を優に超えます。麺類と丼物の他に定食数種類と、ビール、酒、ペットボトルのお茶、ジュース類などもあります。

店内は写真でも分かるように、もうレトロそのもので、ビールなどが入っている冷蔵ショーケースの最下部には「チェリオ」の赤いロゴマークが入っています(若いかたはたぶんご存じないと思いますが。というか、チェリオを知ってる人は私と同世代ですね笑)その隣の冷蔵庫にはレトロな鉄製の栓抜きがぶら下げられていて、給水器の横にはやかんが置かれていました。

そうこうしてると意外に早くきつねうどんができあがり、ご主人が腰を曲げながら笑顔で運んできて下さいました。使い込まれた木製の四角いお盆の上にお冷やとレンゲ置きの上にレンゲが載せてありました。私は食事する時には一切水もお茶も飲みませんし、麺類の汁も丼を持って最後の一滴まで飲みほすので必要ないんですけどね。

きつねうどんの揚げさんは、珍しい三角揚げでした。あちこちできつねうどんばかり食べてますが、三角揚げは初めてです。三角揚げは分厚いですからよく煮込まないといけないと思いますが、ちゃんと煮込んであって甘辛いジューシーで美味しい揚げさんに仕上がってました。麺はごく普通の大阪うどんですが、出汁は濃いめでめっちゃ美味しかったです。

食べ終わってお勘定をしようとしたら常連のお客さんとご主人が談笑されていたので、私はなんとなく上を見上げたのですが、岡持ちの多さに驚きました。お店のご主人が写った写真がありますが、チェリオの冷蔵庫の上と天井近くの棚の上に、木製とアルミ製の岡持ちが合わせて13個ほど置かれていました。私は石油ストーブにあたりながら撮影のチャンスを待ってたんですが、外の看板に「出前迅速」と書いてあったのを思いだし、昔は若い人もたくさん雇って出前されてたんだろうなと思いました。

岡持ちを持ったことがない人には分からないと思いますが、もの凄く重いんですよね。長い距離を歩くと肩が抜けそうになりますが、料理が冷めるといけないので立ち止まることもできずに手を持ち替えます。そうすると麺類の場合、下手な人は汁がこぼれて現地に到着した時にはエライことになってます。私がそうでした。

食べ終わってお勘定をしようとしたらご主人が笑顔で振り向かれて「430円です」と両手で小銭を受け取られました。「ありがとうございました」と笑顔で丁寧に頭を下げられてめっちゃ腰の低いご主人でした。近くにこんな穴場があるとは知りませんでした。今度はぜひ丼物を食べに行ってみたいと思います。丼物を注文した人を見てると味噌汁が付いてくるみたいですよ。

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写真

概要

店舗名

ナカヤ

なかや

ジャンル

電話番号

住所

大阪府大阪市旭区清水2丁目7−2

アクセス

最寄駅
バス停
  • 新森公園前から300m (徒歩4分)
公開日
最終更新日

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