お行の松

場所は根岸
根岸と言えばすぐに思い浮かぶのが
〝根岸の里の侘び住まい〟のフレーズというくらい
江戸情緒を残している地域

実際町中を散策すると
あちらこちらに、古く味わいのある建築物が！

西蔵院境外仏堂不動堂内に
江戸期から根岸の大松と親しまれた〝お行の松〟は
「江戸名所図会」や広重の錦絵にも描かれてきた
天然記念物の指定された大正期には
推定樹齢３５０年、樹高１３ｍ余だったとか
たが、環境の悪化などで昭和に入ってすぐ枯死

２代目も上手く生育しないまま枯死し
現在あるのは３代目になるそうだ

狭い境内です。
正面にこぢんまりした不動堂
その手前左手に
屋根をかけ、初代の〝お行の松〟の枯れた姿の一部が安置？
〝御行松〟と彫られた石碑

正岡子規の句碑
　　薄緑お行の松は霞みけり

　——この地は「時雨が岡」とも呼ばれていたそうな——

遠くからその姿が見えたといういわれが切なくなるほど
現在の松は、申し訳ないけど
「これが…？」
と思うほど貧弱
西蔵院と地元の不動講の人々によって護持されているので
このような事を言ったらバチ当たりですね

３代目であろうと、見かけが貧弱であろうと
地元で大切にされてきた松の持っているいわれや言い伝えは
これからも大事に大事に継承されてゆくのでしょうし
そうあって欲しいと願います