わたしたちの人生で一番大切なことは何か。
それは幸福を感じて生きること。
そう思います。
でも、幸福について話したり、どんな風にこの人生を生きていくのか、誰かに話すことはほとんど無いのが実情だったりします。
日本人は特に、心の内を表現することに控えめなところがあるのかもしれない。
それでもやっぱり、終わりのある人生を生きていくなら、誰もが幸福を感じて、喜ばれる人生を過ごしたいはず。
わたしが40年生きて受け取ったものを、若い人たちに渡すなら、理不尽や不満を伝えるよりも、感謝の言葉や人々の優しさを送りたい。
この世界はさげすみや糾弾があふれているけど、それでも、思いやりや抱擁が、ほんの少しだけ上回っているんだ。
わたしはそんな風に、強く信じてる。
わたしは幸福を感じたい。
誰かに必要とされたい。
誰かに感謝されたい。
生まれて良かったと言いたい。
わたしの心の内側には、弱虫もやさぐれも怠惰もいるから、せめて正直な想いを表現していきたい。
平凡な、どこにでもいる自分だけど、世界中どこを探してもここにしかいない自分。
ずっと気付かなかったけど、この世に特別じゃない人なんていなかった。
落ち込んだり、不安に思ったりしないことを強さというなら、わたしは強くない。
わたしはただ、不安や恐れを分かち合い、思いやりや抱擁をほんの少し多くするだけの、一介の弱虫で十分だ。
誰かの人生を、否定する必要のない生き方がきっとある。
みんなが否定する必要が無くなれば、否定されることのない世の中になっていく。
一隅を照らそう。
わたしが人生をかけて照らす一隅は、
目の前の人を否定しないこと。
