【正夫物語 第一章 函館の空の下で】
私が小学生の頃、家族は函館に住んでいました。
母の実家は、函館では知られた資産家だったそうです。
しかし戦争によって状況は大きく変わり、祖父も亡くなり、家は疎開を繰り返しました。
気がつけば、豊かだった暮らしは過去のものになっていました。
けれど不思議なことに、私はそのことをあまり気にした記憶がありません。
なぜなら周りもみんな同じだったからです。
みんな貧しかった。
だから比べることもなかった。
それより毎日が楽しかった。
元氣に走り回り、友達と遊び、夢中で過ごしていました。
そして何より大きかったのは従兄弟の存在です。
気がつけばいつもそばにいてくれました。
一緒に遊び、一緒に笑い、時には守ってもらうこともありました。
今振り返ると、私が「仲間は宝物」と思う原点は、この頃にあったのかもしれません。
そしてこの頃から、後に家族を少しだけ困らせることになる(笑)
今振り返ると、私が「仲間は宝物」と思う原点は、この頃にあったのかもしれません。
ヤンチャな正夫少年の物語が始まるのです。