当院に、病院でヘルニアや脊柱管狭窄、分離辷り症と診断された方が多く来院されます。
果たしてこれらは、腰痛の原因なのか?
そこで、整形学検査や神経学検査をして見ると矛盾が多く出てきます。
ここ10数年で、腰痛に関する色々な事が解って来ました。
腰痛や下肢痛はヘルニアが原因と思っている人が多いようです。
ここに国際腰痛学会のボルボ賞をとった研究があります。
腰痛下肢痛の無い健康な人の椎間板をMRIで調べると、
健康な人の76%に椎間板ヘルニアが
85%に椎間板変性が見つかるのです。
と言う事は、健康な人をMRIで撮影すると
4人に3人がヘルニアが見つかるのです。
また、近頃の研究では、椎間板ヘルニアがあるほうが
腰痛の発生率は低いと言う報告が多く寄せられているそうです。
また、ヘルニアは外部からの力が加わって起ると言うよりも、
遺伝的要素が強いことも解って来ています。
それで欧米では、殆んどヘルニアの手術は行わなくなりました。
その他にも、「骨が変形している」「脊柱管が狭い」軟骨がすり減っている」など
昔の間違った腰痛概念が浸透しているようです。
今の世界の腰痛概念は、従来の「生物学的損傷モデル」から「生物、心理、社会的因子モデル」へ移行しています。
だからヘルニアと診断されても落ち込まないでください。
当院では、最新の国際腰痛学会の研究データを元に患者様に説明しています。
これらの事実は、専門家(脊柱脊髄専門医)ならば知っていることと思いますが、普通の整形外科医や一般の方々には従来の間違ったヘルニアや腰痛の考え方が浸透しているようです。
