鮮

板橋の閑静な路地に佇む「鮮」。
店名通り、新鮮な旬の食材を活かした料理に定評のある
日本料理の名店です。
暖簾をくぐると、大将が朝市場で目利きした
魚介類が涼しげに並ぶ水屋が目に入り、
今宵の期待が高まります。
カウンターに座ると、目の前で繰り広げられる
包丁さばきの音が心地よく響きます。
その手際の良さに、思わず見惚れてしまいます。
おまかせコースの始まりは、蛤の酒蒸し。
ふっくらと蒸し上がった身から、
春の潮の香りが立ち上ります。
お造りは、大将こだわりの三種盛り。
真鯛、平目、メジマグロと、
どれも旬の味わいが存分に活きています。
わさびは本わさびを丁寧に擦り下ろして。
煮物椀は、筍と若芽。
澄んだ出汁に春の息吹が溶け込み、
素材本来の味わいが見事に引き立ちます。
焼物は、のどぐろの塩焼き。
シンプルな調理法だからこそ、
魚の質の良さが際立つ一品です。
炊き合わせには、新じゃがや筍など、
春野菜の甘みを存分に引き出した
丁寧な火入れが光ります。
お食事は桜海老の炊き込みご飯。
土鍋から立ち上る香りに、
春の海を感じる贅沢なひととき。
大将との会話も楽しみの一つ。
その日の市場での出来事や、
旬の食材の目利きのコツなど、
市場通ならではの話が興味深い。
カウンターには常連さんの姿も多く、
みな大将の腕と食材への目利きを
深く信頼している様子。
お値段も良心的で、
この鮮度と技術を気軽に楽しめるのが嬉しい。
毎日通いたくなる、そんなお店です。
ごちそうさまでした。
また明日も、新鮮な旬の味に出会いに来ます。