伝統鍼灸一筋
早いもので、この仕事に就き30年が経ちました。
あっという間でもあり、長い時でもあります。
技術は身に付きました。しかしながらまだまだ満足はできません。
おそらく生涯にわたり追い求めてもたどり着かないほど深く広い世界です。
そこにこの仕事の面白さを感じつつ、人の苦しみに係わる難しさも実感している日々です。
技術だけではない、人としての在りようはこの仕事には必然であると考えますが、
これがまた、つかみどころがなく答えがありません。
それでも、必死になり正直になり自分なりの答え探しをしていくことが、
求められていると考えます。
鍼、灸、手技(マッサージなど)を施術しているときには、独特な感覚があります。
実際に目で見て、手で触れるなどの五感だけではない感覚。
この感覚こそが、この仕事に携わっている者の一番大事にしていきたい感覚だと思っています。
この感覚を研ぎ澄まし、感じることと扱うことを正確に確実にできることを念頭に自己満足に
陥らないよう注意深く進めています。
施術の前の苦悶が、明るい顔となりお帰りなることは、私のとっても癒しとなっています。