何が正しいのか、頭がこんがらがったそうです。最初は。
私個人の話ではなく、サッカーをしている息子の話です。関西では強豪校に所属しています。そして学校紹介の有名なトレーナー?整骨院?にて運動トレーニングを別途受けています。
股関節を強化する、大腰筋を強化する、足の指をしっかりと使える様にする、反射神経を育てる、リズム体操で神経を育てる、バランスボールで、、etc...
非常に充実したカリキュラムで息子たちのパフォーマンスは理論値に達していると信じていました。見た目にも明らかに年齢以上の力強さを感じたからです。レギュラーに定着できたのも間違いなくそのお陰だと。
ただ、一方で気になるのは明らかに故障が増えた事です。テーピングをしていない日は無いのではないか、と言いたくなるくらいに練習前にはテーピングをして保護をしていました。流石に日常生活ではありません。
練習後、トレーニング後には腰が痛い、膝が調子悪い、足首が、とカラダの不調を訴えます。最初はそれが激しいトレーニングの証だと思っていました。上達したからこそのマークが厳しくなった結果のトラブルだと。
きっかけは中学の同級生が所属する学校との練習試合です。結論から言いますと同級生のお子さんがこちらに通っており、そのパフォーマンスに圧倒された事でした。
今ならわかるのですが、当時は「え?」と驚くしかできず。息子の方が見るからにパワーもあり力強い。爆発力もある(様に見える)。ですが、いざ試合が始まると勝負にならない。チーム戦という事も勿論あります。ですが、一見するとサッカーをしているのにゲームが組み立てられない。今からすると個に頼る動きと相手に合わせて臨機応変に組み立てる動き、コンセプトが違う動きに翻弄されていただけだった訳です。
でも、それを可能にするだけのパフォーマンス。突出している訳では無いのに、無駄が無いというか油断できないというか、初めて見る感覚に保護者の私も戸惑いました。何故、ゲームを展開できないのか?それほど特別な選手がいる訳でもないのに。
負けた理由もわからず、納得もいかず、それで息子が相手の同級生に聞いたところ、コーチ?トレーナーがとにかくユニークだと。それがこちらの先生でした。
キャプテン翼か!と言いたくなる様なアドバイス。「ゲームを支配したらいい」「相手に寄せたらいい」「目的はボールをネットまで運ぶ事」「相手に動いてもらえばいい」「リズムを崩せばいいだけ」一体幾つあるんだ?と苦笑したものです。
話が長くなりました。
息子の希望もあり、さっそくお世話になる様に。そのお友達に紹介をして頂きました。
息子は最初戸惑ったそうです。学校で教えられた事と同じ事、似ている事もある。でもそれ以上に正反対の事が多い。どちらを信じるべきなのか。
指先の力はいらない、力はそこにある。膝は抜く必要は無い、力のバランスを少し崩せばいい。重心を動かせばカラダは運ばれる。蹴るな、置けばいい。
余りにぼんやりし過ぎた言葉に息子も混乱、ですが一本下駄に軽々と乗る先生を見て信じる事にしたそうです。※息子は全く立つことができなかったそうで
色々な宿題を持って帰ってきました。一緒に私もしました。とてもシンプルですが細かく「正しくしなければ逆効果」だそうで、息子も注意しながらです。とはいえ、動画があるので助かります。
変化があったのは3ヶ月後くらいです。わからん、わからんと言い続けていた息子が「わかったかも」と帰宅。宿題のおさらいに付き合っていると私でも気付く。以前とは動きが全然違う。あ、何か掴んだな。と嬉しくなる。
その日を境に、息子はサッカーをする事自体が楽しくて仕方が無いと言う様になりました。サッカーをする度に、練習をする度に新しい発見があると。練習が楽しくて仕方が無いと。練習は義務としてこなしていただけの息子がです。
ランニングやウォーキングが楽しいそうで2時間くらい帰ってきません。ボールを触った練習も、ボールそのものよりカラダの方をあれこれ試しています。
どの様な過程で辿り着いたのかはわかりませんが、息子のサッカー選手としての質が根本的に変わったのは間違いありません。
親としては「楽しくて仕方が無い」という息子を見れて嬉しい限りです。ありがとうございました。
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