江戸の味わいと技、「赤坂 更科そば」で感じる粋な蕎麦時間
赤坂の落ち着いた街並みに馴染むように店を構える「赤坂 更科そば」は、江戸時代から続く伝統の技を現代に受け継ぐ老舗蕎麦店。店内は和の趣が漂い、気取らずとも凛とした空気感が心地よい。昼はサッと、夜はしっぽり酒と蕎麦前を楽しめる、まさに“大人のそば処”だ。
この日は、季節の一品料理と共に、定番の更科そばをいただいた。まずは「そば味噌」「出汁巻き玉子」「鴨焼き」など、酒の肴を少しずつ。そば味噌は香ばしく、ほんのり甘さがあり、冷酒との相性が抜群。出汁巻きはふわっと出汁が染み、箸が止まらなくなるやさしい味わい。
そして主役の「せいろそば」。透き通るような白さの更科そばは、のど越しが極めて滑らかで、ほのかに甘みすら感じられる繊細な一杯。そばつゆは鰹が香る辛口で、そばの淡い風味をしっかり引き立ててくれる。
天ぷらも絶品で、この日は「海老と季節野菜の天ぷら」を注文。カラッと揚がった衣と、素材の旨みが生きた揚げ具合に職人技を感じた。
締めには、そば湯をたっぷりいただき、残ったつゆと合わせて最後の一滴まで楽しめる構成もまた、老舗ならではの“粋”。
日常の中に静かな贅沢を添えてくれる「更科そば」。またふとした日に、そばの香りと心地よい余韻を味わいに訪れたくなる名店だった。
- 赤坂駅(東京)
- 和食
素材を活かす職人の技、「酒菜 すずき」で味わう赤坂の隠れ和食
赤坂の喧騒から一歩奥まった場所にひっそりと暖簾を掲げる「酒菜 すずき」は、丁寧な和食と選りすぐりの日本酒を静かに楽しめる大人の隠れ家。店内は木を基調にした落ち着いた雰囲気で、カウンター越しに店主の繊細な仕事が間近に感じられる心地よい空間だ。
この日は、おまかせコースを中心にいただいた。前菜には、季節野菜の白和え、蛍烏賊の酢味噌、筍の土佐煮。どれも素朴ながら素材の味が活きており、スタートから心が和らぐ。
続いてのお造りは、本まぐろ、真鯛、しまあじの三点。包丁の入れ方も美しく、食感と旨味のバランスが秀逸。特にしまあじの脂の乗りとシャリっとした歯応えが印象的だった。
焼き物は銀鱈の西京焼き。甘さを控えた上品な味噌にしっとりとした身がよく合い、炊きたての白ご飯が欲しくなる味わい。さらに、蓮根まんじゅうのあんかけや、鯛と筍の炊き合わせなど、季節感を大切にした一品料理が続く。
締めは、鯛茶漬け。胡麻だれと昆布出汁の絶妙なバランスに、鯛の旨味が溶け出して、最後の一口まで満足感のある締めくくりだった。
地酒のラインナップも豊富で、料理に合わせて選んでくれる心遣いも心地よい。「酒菜 すずき」は、決して派手ではないが、丁寧でまっすぐな和食の魅力を感じさせてくれる一軒。また季節を変えて訪れたい、静かな良店だった。
- 赤坂駅(東京)
- 和食
赤坂の老舗で味わう四季の恵み、「竹の子」で過ごす和の真髄
赤坂の静かな路地に構える「竹の子」は、昭和34年創業の老舗和食店。長年地元に愛され続けてきたその背景には、旬の素材を活かした正統派の会席料理と、丁寧なもてなしがある。店内は和の趣が漂う落ち着いた空間で、カウンターや個室もあり、接待から特別な食事まで幅広く使える。
この日は季節の会席コースをいただいた。先付けには、旬の筍と蕗、鰯の梅煮などが美しく盛られて登場。どれも出汁がしっかりと効いていて、ひと口目から素材のやさしさが感じられる。
椀物には、蛤と若芽の吸物。吸い口には木の芽が添えられ、春の香りと澄んだ出汁が身体にしみ渡る。お造りは、鮪・真鯛・細魚の三種。ネタの扱いが丁寧で、薬味や醤油の加減も絶妙。
焼き物には、鰆の西京焼き。甘さ控えめの味噌にじっくりと漬け込まれた身は、香ばしく焼き上げられ、ほろっとほどけるような柔らかさ。さらに、筍と帆立の炊き合わせ、茶碗蒸しなど、優しい味わいの料理が続く。
締めは、名物の「筍ご飯」。ふっくら炊き上げられたご飯に筍の香りがふわっと立ちのぼり、季節感が凝縮された一品だった。赤出汁と香の物で、最後まで心温まる締めくくり。
華美ではないが、確かな技と素材への敬意が詰まった「竹の子」の料理。また季節が巡るころ、旬の味を静かに味わいに訪れたくなる一軒だった。
- 赤坂見附駅
- 和食
炭火の香りと職人技、「もくもく」で楽しむ和の炙り時間
西麻布の住宅街にひっそりと佇む「もくもく」は、炭火焼きを中心に、素材の旨みを最大限に引き出す和食が楽しめる大人の隠れ家。店名の“もくもく”は、炭の煙の香りと温もりを想起させるとおり、店内には穏やかに立ち上る炭の香ばしい香りが漂っている。
この日はアラカルトで料理を楽しんだ。最初にいただいたのは、「炙り胡麻豆腐」。炭火で表面だけを香ばしく焼き上げた一皿で、香りと口当たりのやさしさが印象的。続いての「鯖のへしこ炙り」は、塩気と旨味が凝縮されており、日本酒との相性が抜群。
メインには「大山鶏の炭火焼き」を。皮目はパリッと、身はしっとりと仕上げられていて、シンプルながら職人の火入れの妙を感じる逸品。添えられた自家製ポン酢や山葵で味に変化をつけながら楽しめるのも嬉しい。
野菜の炭焼きも秀逸で、蓮根や万願寺唐辛子などの季節野菜は、それぞれの甘みが引き出されており、噛むごとに炭の香りとともに旨味が広がる。
締めには「焼きおにぎり茶漬け」を注文。香ばしく焼かれたおにぎりに熱々の出汁を注ぐと、ふわっと立ち上がる香りに思わず頬が緩む。炭火の魅力を最後の一口まで感じられる、温かな締めだった。
華美ではないが、炭火というシンプルな調理法で素材の魅力を丁寧に引き出す「もくもく」。ゆっくりと静かに、でもしっかりと“和”を楽しみたい夜にぴったりの一軒だった。
- 赤坂見附駅
- 和食
漁港の香りを赤坂で、「舟水」で味わう極上海鮮と和の粋
赤坂の閑静なエリアに店を構える「舟水」は、まるで港町に迷い込んだかのような鮮魚自慢の和食店。全国各地の漁港から直送される魚介を中心に、素材を活かしたシンプルかつ滋味深い料理が楽しめる。店内は洗練された和の空間で、カウンターでは料理人の丁寧な所作を間近に見ることができる。
この日は「おまかせ海鮮会席コース」をいただいた。前菜には、ほたるいかの酢味噌和えや菜の花のおひたし、酒肴として完成された小鉢が並び、日本酒とともにじっくりと味わいたくなる滑り出し。
お造りは、氷見の寒ブリ、銚子の金目鯛、対馬の赤ムツなどが贅沢に盛られ、どれも驚くほど新鮮で厚みがあり、口の中で素材の力強さがはっきりと感じられる。醤油だけでなく、塩や柑橘でいただく工夫も楽しい。
焼き物には、のどぐろの塩焼き。皮目はパリッと香ばしく、身はふっくら。脂が乗っていながら上品で、シンプルな調理がかえって素材の良さを際立たせている。
締めには、鯛出汁茶漬け。ほぐした鯛と薬味のバランスが絶妙で、旨味が深く、スルスルといただけてしまう一杯だった。
料理はもちろん、器選びやサービスの距離感も心地よく、和食の楽しさと奥深さを再確認させてくれる一軒。また次の季節、旬の魚を味わいに訪れたい、そんな“海のうつろい”を楽しませてくれる和食店だった。
- 溜池山王駅
- 和食
技と遊び心が織りなす一皿、「つる中」で堪能する新しい和のかたち
西麻布の静かなエリアに暖簾を掲げる「つる中」は、和食の枠にとらわれない自由な発想で、旬の食材を美しく仕立てる和食店。店内は上質な和モダン空間で、カウンター越しに店主の所作が眺められる特等席が人気。落ち着いた雰囲気の中にも、どこか柔らかく親しみのある空気が流れている。
この日は季節のおまかせコースをいただいた。先付は、「雲丹とずわい蟹の冷製茶碗蒸し」。とろけるような口当たりの中に、海の甘みと出汁の香りが重なり合い、最初の一品から心を掴まれる。
椀物は、蛤と春野菜の潮仕立て。ふくよかな蛤の旨味がやさしい出汁に溶け込み、菜の花のほろ苦さが良いアクセントに。お造りでは、熟成をかけた鰆や昆布締めの鯛など、ひと切れごとに違う表情を見せるラインナップ。
焼き物には、甘鯛の鱗焼きが登場。カリッと焼き上げられた鱗の食感と、ふわりとした身のコントラストが印象的。ソースにはほんのりと柚子が香り、繊細ながら記憶に残る味わいだった。
締めには、桜海老と筍の炊き込みご飯。土鍋で炊かれたご飯は香り高く、季節の恵みをそのままいただくような滋味深い仕上がり。赤出汁と香の物で、最後まできちんと整えられた印象を受けた。
格式にとらわれず、遊び心と技を絶妙なバランスで融合させた料理たち。和食の“新しさ”と“原点”が同時に味わえる、そんな魅力を持つ一軒だった。次はまた違う季節に、別の驚きを探しに訪れたい。
- 溜池山王駅
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気取らず楽しめる本格江戸前、「玄海鮨 赤坂店」で味わう寿司の醍醐味
赤坂の落ち着いたビルの一角にある「玄海鮨 赤坂店」は、丁寧な仕事が光る本格江戸前寿司を、肩肘張らずに楽しめる良店。店内は清潔感があり、カウンターもテーブル席も落ち着いた雰囲気。ビジネス街にありながら、どこか温かみのある空気が流れている。
この日は握り中心の「おまかせコース」をいただいた。最初に登場したのは、赤酢シャリの小肌とヒラメ。小肌はしっかりと締められつつ、口当たりはやわらかく、ヒラメは昆布締めの香りがほのかに漂い、旨味の引き出し方が絶妙だった。
続く中とろ、鰹、いくらと、どれもネタの質が高く、特に中とろの脂の乗り具合と赤酢シャリの相性が抜群。いくらは小粒で皮が薄く、口の中でふわっと弾ける感覚が心地よかった。
巻物や玉子焼きも丁寧に仕上げられていて、特に鉄火巻きはしっかりとしたまぐろの風味が活きており、余韻まで楽しめる一品。玉子はほんのり甘く、食後の口直しとしても優秀だった。
ランチタイムのちらし寿司や握りセットも人気で、クオリティとコスパのバランスの良さが光る。夜はお酒とつまみを楽しみながら、ゆっくりと寿司を堪能するスタイルがおすすめ。
赤坂で“きちんと旨い寿司”を楽しみたいときに、肩の力を抜いて通える貴重な一軒。また訪れたくなる、そんな信頼感のある寿司店だった。
- 赤坂駅(東京)
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老舗の温もりが握る一貫、「ちょん寿司」で味わう粋な寿司時間
新橋・虎ノ門界隈にひっそりと佇む「ちょん寿司」は、昭和26年創業という歴史を持つ老舗寿司店。暖簾をくぐれば、カウンター越しに大将の威勢の良い声と包丁さばきが響く、どこか懐かしくも心地よい空間が広がっている。
この日はおまかせ握りを中心に注文。まずは赤身の漬けと平目からスタート。赤酢のシャリがほどけるように口の中で広がり、ネタの鮮度と一体感が素晴らしい。平目は昆布締めされており、ほのかな旨味がじんわりと舌に伝わる。
続いて中とろ、コハダ、帆立。中とろは脂が甘く、すっととろける口溶け。コハダは丁寧に〆られていて、酸味と塩気のバランスが絶妙だった。帆立は肉厚でぷりっとした食感が心地よく、わさびとの相性もぴったり。
巻物は名物の鉄火巻き。濃厚なまぐろがぎっしりと詰まり、シンプルながら満足感の高い一品。追加で注文した玉子焼きは、出汁の香りが優しく、甘すぎず品のある味わい。
店内は常連の会話が飛び交いながらも、初めての客にも居心地のよさを感じさせてくれる空気がある。肩肘張らずに、でもしっかりとした“本物の寿司”を味わえる貴重な場所。
またふらりと、あの赤酢シャリと大将の握りに会いに行きたくなる。そんな粋で温かな寿司店だった。
- 赤坂駅(東京)
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個室でしっとり楽しむ大人の和食時間、「楓(かえで)赤坂店」
赤坂駅からすぐの場所に佇む「楓(かえで)赤坂店」は、全席個室でプライベートな空間を保ちながら、季節感を大切にした本格和食を楽しめる一軒。木の温もりを感じる静かな個室は、接待や記念日、会食にもぴったりで、ゆったりとした時間が流れる。
この日は「旬彩会席コース」をいただいた。先付には、胡麻豆腐と季節野菜のおひたし。やさしい味わいの中に、出汁の旨味と素材の香りがしっかりと息づいている。お造りは、鮪、鯛、縞鯵の三点盛り。厚みがありながらも口当たりは柔らかく、鮮度の良さが光る内容だった。
焼き物では、銀鱈の西京焼き。味噌の甘さと香ばしさ、そして脂の乗った身のバランスが非常によく、箸が止まらない美味しさ。さらに、地鶏の炭火焼きや蓮根まんじゅうのあんかけなど、温かみのある料理が続き、どれも丁寧な仕上がりだった。
締めには季節の炊き込みご飯。この日は筍と油揚げの土鍋ご飯で、炊きたての香りとほっこりする味わいに、自然と笑みがこぼれる。赤出汁と香の物もバランス良く添えられており、最後までぬかりない構成。
静けさと美味しさの中に、ゆったりとした“和”の空気を感じられる「楓 赤坂店」。また季節を変えて、違うコースを楽しみに再訪したくなる、そんな大人のための一軒だった。
- 赤坂駅(東京)
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和と創作の心地よい融合、「〜わ〜ダイニング トランブルー」でくつろぐ和の夜
港区・新橋エリアにある「〜わ〜ダイニング トランブルー」は、和の伝統とモダンなセンスを掛け合わせた創作和食ダイニング。落ち着いた照明と木の温もりを感じる店内は、ゆったりとくつろげる大人の隠れ家といった雰囲気で、デートや接待にもぴったり。
この日は人気のあるアラカルトを中心に注文。まず運ばれてきたのは「季節野菜の炊き合わせ」。優しい出汁の香りがふわりと立ち上がり、野菜ひとつひとつの甘みが引き立つ、丁寧な仕上がりにほっとさせられる。
続いて「鯛のカルパッチョ 柚子胡椒仕立て」。和と洋のエッセンスが程よく調和し、鯛の繊細な味を柚子胡椒の爽やかな辛味が引き締める。酒肴としても優秀な一皿。
メインには「和牛のグリル 柚子味噌ソース」。ミディアムレアで焼き上げられた和牛はジューシーでやわらかく、味噌のコクと柚子の香りが絶妙に重なる。ご飯にも日本酒にもぴったりの一品だった。
締めには「鯛茶漬け」を。胡麻だれにくぐらせた鯛と、香り高い出汁が溶け合い、最後の一口まで飽きのこない味。デザートには自家製の黒ごまプリンで、ほろ苦さと甘さが心地よい余韻を残した。
“和”の枠にとらわれない自由な発想と、確かな技術で仕上げられた料理の数々。また違う季節に、その時ならではの創作和食を味わいに訪れたくなる一軒だった。
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