弘前東照宮のある笹森町にクリニックを構えて23年たちました。この間多くの人の心の病気というものに関わらせて頂きました。心の病気と言われる混沌としたものを、どう捉え、どう向き合い、どう改善していけば良いのかに取り組んできました。多くの方がうつ状態を自覚して来院されます。うつ状態は色々なストレスが引き金となりますが、その中には色々な病気が潜んでいます。医学の先達の長年の努力によって、治療法が開発されてきて、治療が可能なものもあります。また、残念ながら治療が難しいものもありますが、それでも何らかの方法で、少しでも症状が軽減され、日常生活がより快適になるお手伝いができればと願っております。
双極症という病名をご存じですか?正式には双極性感情障害と言います。気分が高揚する躁の極と、気分が落ち込むうつの極とが二つ出てくる病気です。でも必ずしもうつと躁を繰り返すのではなく、うつばかりを繰り返すタイプ、躁ばかりを繰り返すタイプがあり、人によって様々です。繰り返すという再現性が特徴です。たいていの人はうつの期間が長いと言われます。発症年齢の早い、若い方のうつ状態、過食、過眠がある、時に自殺念慮が出ることがあるので、早く気づき、適切な治療を受けることが大事です。