PARK

神代植物公園のほど近く、深大寺北町の静かな住宅地にそっと溶け込むように佇む「park」。大通りから一歩奥へと入ると、そこには緑とやさしさに満ちた空間が広がっていました。

扉を開けると、まず目に飛び込んでくるのは大きな窓から差し込むやわらかな光。そして壁際に並べられた、ぬくもりを感じる器や道具たち。どれも日本各地の作家さんが手がけたもので、ひとつひとつに物語があるよう。まるでギャラリーに迷い込んだような気分になります。

この日のお目当ては、店内で評判のドーナツとカフェラテ。九州産の無農薬小麦を使ったというドーナツは、手のひらサイズで見た目も素朴。でも、ひと口頬張った瞬間、その“ふわサクっ”食感とやさしい甘みに、思わず頬がゆるみました。

ドライキーマカレーやプリンもとても気になったけれど、今日はドーナツとゆっくり向き合う日に。ラテの泡はきめ細かくて、香りも深く、カップを手にするたびに肩の力がふわっと抜けていくような心地よさ。

窓の外では、小さな木々が風に揺れていて、時折聞こえる鳥の声さえもBGMのよう。スマホを閉じ、本を開いて過ごしたこの午後は、まるで時間が少しだけやさしくなったようでした。

“何もしない”が、いちばんの贅沢になる。
そんな気づきをくれるカフェ「park」は、日常に小さなごほうびをくれる場所です。

また、心をゆっくり休ませたい日に、そっと訪れたいと思います。
ごちそうさまでした。