ウソは、日本やヨーロッパ、中央アジアに広く分布する鳥類で、特に春の訪れを感じさせる存在です。ウソという名前の由来は、口笛のような鳴き声にあります。全長は約15~16cmで、オスは特徴的な赤い頬と灰色の背中を持ち、メスは淡い褐色をしています。ウソは通常、繁殖期にはつがいで生活し、非繁殖期には最大で10羽程度の小規模な群れを形成します。主に木の実や虫を食べることから、4~6個の卵を抱卵し、雛は約12日で巣立ちます。
ウソは冬になると平地や桜の木々の中で見かけることが多く、特に桜の花芽を好んで食べるため、農家からはしばしば害鳥扱いされることもあります。鳴き声は「フィー、フィー」と特徴的で、繁殖期には特に高らかに響きます。また、ウソは太宰府天満宮などで行われる「鷽替え」という神事にも深く関わっており、この行事は嘘を真実に変えるという意味合いを持っていると言われています。
この美しい鳥を観察するには、桜が咲く公園などが最適ですが、栃木県の日光市や埼玉県の森林公園などでは特に多く見られます。冬の間にぜひ観察してみることをおすすめします。