90代女性 N様 野田市
植物が好きな患者様に、季節の花を教えていただいております。
患者様と『桃栗三年柿八年、柚子の大馬鹿十八年』の諺のお話になり、柚子の苗木の思い出をお話してくださいました。
昔、神社の苗木市で柚子の苗木が売っていて、
「この柚子は何年ぐらい経ったら実を付けるの?」
と苗木屋さんに聞いてみましたら、
「んー。5年くらいかなー?」
と言われたので、
「嘘を言ってるんじゃないよー」
と笑ったそうですが、買ってきて大事に育てながら実を付けるのを楽しみに待っていたそうです。
15年以上待っても中々実が付かなかったので「何回も木を切ってやろうかと思った」と笑っておられたのですが、実が付いた時は「嬉しかったよー」とお話してくださいました。
調べてみると、今では柚子の栽培が盛んになってからは、3年ほどで結実する「接ぎ木苗」を使った栽培方法が一般的になっているそうです。
『桃栗三年柿八年』の諺の意味を調べてみると、種を植えてから実を付けるまでの年数を表していますが、その他の意味として、物事を成し遂げるには長い年月がかかるという例えに使われています。
単に実を付ける年月を表すものではなく、人が技術や知恵を身に付けようとしても一朝一夕に実現できるものではなく、長い年月をかけることが必要。
桃は実を付けるまで3年。
栗は実を付けるまで3年。
柿は実を付けるまで8年。
柚子は実を付けるまで18年。
『桃栗三年柿八年、柚子の大馬鹿十八年』の諺の思い出ができました。
